内容説明
本書の目的は、現代社会における法の基本的な特徴を鳥瞰図の形で示すことによって、多少とも法に関心のある読者を、さらに深く法の世界に誘うことにある。法の全体像を示すという場合、その方法は多様でありうるが、本書は、個人を中心に据えて、その個人がかかわりあう社会的諸関係を、身近な関係から次第に遠い関係へと同心円的に描き出そうと試みている。すなわち、本書の叙述は、自己決定権を行使する個人を出発点とし、その個々人が生きていくうえで不可欠な、消費生活、家族関係、医療、労働、企業、社会保障、治安についての検討を経て、こうした多様な生活要素にかかわる現代国家の枠組、行政、司法の構造、そして戦争と国際社会、地球環境を含めたグローバル化の考察に及んでいる。そのうえで、最後にそれらを総括して、現代社会と法の特質を歴史的に考察する終章を置いた。
目次
「自己決定と法」を考える
「消費生活と法」を考える
「家族と法」を考える
「医療と法」を考える
「労働と法」を考える
「企業と法」を考える
「社会保障と法」を考える
「治安と法」を考える
「現代国家」を考える
「行政と法」を考える
「司法と法」を考える
「日本国憲法と国際社会」を考える
「グローバル化と法」を考える
「最現代の法」をどうとらえるか
著者等紹介
西谷敏[ニシタニサトシ]
大阪市立大学大学院法学研究科教授
笹倉秀夫[ササクラヒデオ]
早稲田大学法学部教授
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