内容説明
文明はなぜ爆発的な進歩を遂げ、近代ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか? 帝国・科学・資本を中心に未来への幻想が生まれる歴史を解く。文明は人類を幸福にしたのか? ついに文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
139
哲学者ハラリの著作(英語版2014年)の邦訳文庫版下巻。認知革命、農業革命を経て、人類は帝国・宗教の概念を創りだし分散した存在から統一へ。下巻はほぼ全巻、科学革命について。西暦1500年頃まで人類は停滞の中にあったが、その後の500年間に科学技術を手にし急速な発展を遂げた。宗教などによる近代以前の伝統では重要なことは既に全部知られていて、偉大な神が全てを網羅する知恵を持っているとされていたが、著者は近代科学は「我々は全てを知っているわけではない」との前提に立つことにより生まれたと言う。⇒2024/05/01
ふみあき
94
世界的ベストセラーだけあって、遅読のわたしが一気読みする面白さだったが、上巻と比べると新鮮な驚きは少なかった。この前読んだマーク・コヤマ&ジャレド・ルービンの『「経済成長」の起源』や、スティーブン・ピンカーの『21世紀の啓蒙』などで聞きかじった内容が多かったせいかも。2024/11/10
nobi
81
狩猟採集から農耕へ、認知宗教帝国科学産業経済…どの時代地域文化主義社会も俯瞰してしまう。範囲の広さ密度の濃さ軽妙で視覚的な表現の冴え。他人事であった物語は、下巻になって我が事になっていく。もし地球を征服しようとやってくる宇宙人がいるならこの本をお勧めしたい。地球人(サピエンス)の歴史も長短所も全て分かってしまう。例えば下巻冒頭の章で、一神教と多神教、宗教と見なせるという共産主義などの本質が掴めてしまう。そして生活面で“中世の人々はたしかに悲惨な状況にあった”かも知れないが、現代人は幸福なのか、と彼は問う。2025/11/15
esop
71
宗教は超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範と価値観の制度の定義できる/自由主義の道徳性のモットーは「もしそれで気持ちが良いのならそうすればいい」だ/文化は精神的な寄生体で偶然現れ、それから感染した人全員を利用する/新しいことを可能にしてくれる理論こそが知識なのだ/経済全体が生き残り繁栄できるのは私たちが将来を信頼しているからに他ならない/幸福は客観的な条件、すなわち富や健康、さらにはコミュニティにさえもそれほどされないーむしろ客観的条件と主観的な期待との相関関係によって決まる2024/11/05
nakanaka
66
人類の誕生から始まり、現代社会の成り立ちまでを丁寧に解説している名著である、というのが素直な感想です。世界中でベストセラーなのも頷けます。資本主義が世界中を席巻し豊かな世の中になったわけですが、必ずしも幸福になったわけではないということや、人間以外の生物(とりわけ家畜)にとっては地獄であるなどの主張には考えさせられました。仏教の考え方についての記述には興味が湧いたので仏陀について学ぼうとも思えました。とりあえず読了したものの、もっとしっかりと理解したいので再読が必要だと感じました。2025/04/18
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