出版社内容情報
20世紀の始まりとともに片山潜・安部磯雄・幸徳秋水らによって組織された社会民主党をその萌芽とし、労働者と農民の利益を代表すべく活動した社会民主主義政党を無産政党と呼ぶ。大逆事件をはじめとする弾圧の苦難ののち、離合集散の時代を経て、第一次世界大戦後の労農運動、学生・青年運動、女性運動といった社会のうねりのなかで第三極・社会大衆党へと集結した政治潮流の全容を明らかにする政党論集。
内容説明
無産政党の歴史を問い直す。二十世紀の始まりとともに結成された社会民主党をその源流とし、労働者と農民の利益を守るべく活動した無数の社会民主主義政党が日本に存在した。弾圧の時代、離合集散の時代を経て、第一次世界大戦後の社会のうねりのなかで第三極・社会大衆党へと集結する政治潮流の全容を明らかにする。
目次
いま無産政党の歴史を問い直す
第1部 無産政党の組織と基盤(戦間期の「青年」運動と無産政党組織運動;無産政治勢力・国粋会的勢力の支持基盤形成―第一回男子普通選挙京都第一区を中心に;社会民衆婦人同盟の分裂と女性指導者―赤松明子と赤松常子に注目して;戦前期無産政党における「書記長」・「書記局」の成立・変遷についての一考察)
第2部 社会党的なるものの歴史的前提(社会大衆党結党過程の検討;無党時代におけるポスト新体制運動―旧社会大衆党勢力の動向を中心に;党本部からみた日本社会党史―戦前無産政党、労働運動、農民運動との連続性の視点から)
無産政党史研究の現状と課題
著者等紹介
榎一江[エノキカズエ]
法政大学大原社会問題研究所教授。日本労働史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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