出版社内容情報
入試に失敗し職にも就かず鬱々と暮らしていた一人の名もない青年は、またたく間に大衆の指導者に上りつめ、第一次大戦で疲弊していた人びとの熱狂を呼ぶ。なぜ政治的に未知数の人間がこれほど強大な権力を手にし、とてつもない破壊を引き起こしたのか。本書はその生涯を、徹底した自己演出と、部下を巧みに競わせる政治スタイルに着目して描き出す。最新の研究成果を反映した伝記の決定版。
内容説明
何百万人もの死、想像を絶する苦悩、物質的・精神的価値の破壊を生んだのは彼だけのせいなのか。その死後も、私たちに過去と向き合うよう迫るひとりの人間の生涯。最新の研究成果を反映した決定版。
目次
第1章 序論
第2章 無名の男 1889~1919
第3章 煽動家 1920~1923
第4章 「指導者」の捏造 1924~1929
第5章 権力要求と権力闘争 1929~1933
第6章 国民の「総統」 1933~1939
第7章 最高司令官とナチスの犯罪
第8章 ヒトラーは終わらない
著者等紹介
ターマー,ハンス=ウルリヒ[ターマー,ハンスウルリヒ] [Thamer,Hans‐Ulrich]
1943年ローテンブルク・アン・デア・フルダに生まれる。マールブルクのフィリップス大学とベルリン自由大学で歴史、古典文献学、政治学を学ぶ。1971年マールブルクで博士号を取得。1980年エアランゲン=ニュルンベルクのフリードリヒ=アレクサンダー大学歴史研究所で大学教授資格を取る。1983年から定年退職までミュンスターのヴェストファーレン・ヴィルヘルムス大学で近・現代史の教鞭をとる。1991年からヴェストファーレン歴史委員会の正会員になる。研究の重点は、ナチズム、ヨーロッパのファシズムそしてフランス革命である。彼の基本文献である『魅惑と暴力。ドイツ1933年―1945年』が出版された1986年は、彼の博士論文指導教授エルンスト・ノルテの引きおこした歴史家論争の時機と重なるが、彼はこの論争には関与していない。彼の主著を論評したルードルフ・アウグスティンは、均衡のとれた理解しやすい第三帝国の歴史を提起したと報告している
斉藤寿雄[サイトウヒサオ]
1954年長野県生まれ。東京都立大学大学院修了。現在、早稲田大学政治経済学部教授。2000年から2002年まで、2010年から2011年まで、および2022年4月から9月までレーゲンスブルク大学客員研究員。専門は20世紀のドイツ詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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