出版社内容情報
【目次】
内容説明
第二次世界大戦後、アメリカで勃興した抽象表現主義の芸術と伴走し、美術史に変革をもたらした稀代の美術批評家。徹底的に作品と向き合い、自らの「趣味判断」に基礎を置くその批評は、ときに「形式主義」との誹りを受けながらも、まなざしの倫理に貫かれていた。根底を流れるカント美学からその思想を照射することで、語りがたきものを語るその批評の今日的可能性に迫る。
目次
1 序 グリーンバーグの思想形成と批評の軌跡
2(美的判断の構造―カント『判断力批判』第九節を手がかりに;主観性と客観性をめぐって―カント的/非カント的側面の総合的理解;創造と想像の自由―芸術家の独創性へのまなざし;距離の現象学―英米美学との理論的交錯;批評家の責務―グリーンバーグにおける美的判断の位相)
著者等紹介
大澤慶久[オオサワヨシヒサ]
1981年、神奈川県に生まれる。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、東京藝術大学、関東学院大学非常勤講師。専攻、近・現代美術史、美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絵画固有の美的判断の世界。カントはたしか、感性による直観も認識を構成する能力であり、悟性による概念形成との協働があることで認識は成り立つとしていた。グリーンバーグはこの美的直観と概念形成の2つを通して、どのように非自発的な「認識なき認識」を論じたのか。その場合の認識、美的直観とは、働いていることそのものが目的であり、カントとは異なりその時点で快不快は問われない。カントは述語的に快不快の概念形成を通して普遍的伝達可能性(主観の認識能力一般性)を述べたが、グリーンバーグは全くその埒外にあるとされる。2026/06/10
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