出版社内容情報
獅子王の宮廷における動物たちのヒエラルヒーを通して,人間の獣性を暴き,法制度をはじめとする中世社会の実相を生き生きと描く。序文・欄外注釈・図版を含む完訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
1
『オイレンシュピーゲル』と並ぶドイツの中世民話。ゲーテのライネケ狐のもとであり、この狐ラインケ自体もフランスやオランダで広まった話の中世低地ドイツ語版らしい。活版の黎明期と重なったのがこの版が広まるのに利したようだ。擬人化された動物の王宮(=法廷)において、口が上手くずるがしこい狐があまたの告訴を舌先三寸で乗り切るお話で、当時の注釈者が章ごとに教訓を付加したことでメタ的な読み物になった。「本書はお買い得で、世の動きを知りたければ、ここに書かれているのでお買い下さい、お勧めします」と本文最後にある面白い本。2013/06/26
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