出版社内容情報
近世経済商業史に重要な位置を占める〈貢人〉をめぐって,従来の研究を丹念に跡づけるとともに,具体的な事例分析を通じてその実態を東アジア交易史に位置づける。
内容説明
大同法の施行により出現した官庁指定調達業者=貢人は、17~19世紀の間、同業組合をつくって物資の調達と納入、その他の官庁御用を務めていた。本書は、韓国における近世経済商業史研究において重要な位置を占める「貢人」をめぐって、従来の研究を丹念に跡づけるとともに、弓角契、馬契、京主人、営主人という具体的な「貢人」の事例分析を通じてその実態を明らかにする。近世御用商人としての彼らの特異な存在形態を浮彫りにしつつ、彼らが利潤を蓄積し、商業資本として成長していく過程を追跡し、さらに朝鮮‐日本‐中国を結ぶ近世東アジア交易史研究にも、朝鮮からの新たな視角を導入する。
目次
第1章 序論―貢人研究の現状と課題
第2章 水牛角貿易と弓角契貢人
第3章 外都庫貢契の成立と組織
第4章 坊役制の変動と馬契の成立および都賈活動
第5章 京主人の都賈活動
第6章 営主人の都賈活動と邸債問題
第7章 結論
著者等紹介
金東哲[キムドンチョル]
1955年、韓国釜山に生まれる。釜山大学校人文大学大学院博士課程修了。文学博士。韓国近世経済史・社会史専攻。1978年釜山大学校人文大学史学科卒業、80年同大学院修士課程修了、87年釜山大学校人文大学史学科専任講師。助教授、副教授を経て、94年同大学校人文大学史学科教授、現在に至る。この間、94年から1年間、東京大学文学部で外国人研究員
吉田光男[ヨシダミツオ]
1946年、愛知県に生まれる。韓国近世社会史専攻。76年東京大学文学部第2類東洋史専修課程卒業、78年同大学院人文科学研究科修士課程修了、83年同大学院博士単位修得退学とともに東京外国語大学外国語学部助手、専任講師、助教授を経て、93年東京大学文学部助教授。94年から同大学院人文社会系研究科教授、現在に至る。この間、92年から1年間、ソウル大学経済研究所で外国人特別研究員
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