内容説明
「詩聖」と称される杜甫。その生涯で多数の詩を残しており、仇兆鰲の『杜詩詳注』には一四五七首が収録されている。しかし『杜甫集』成立以降、収録される詩数は増加し、偽作の疑いが濃いものも多くある。本書では、杜甫の作かどうか疑念が持たれている詩について精査し、真作か偽作か、それとも他詩人の集から誤って入り込んだものなのか、その実情を考察。また、杜甫の詩に用いられる詩語、杜甫の交友関係から生まれた詩などについて、資料を精査し、作品を丁寧に読み直すことで解明された最新の知見を提示する。
目次
1 杜甫詩の真偽(「夜宴左氏荘」札記;「杜鵑行」札記;「〓国夫人」札記;「避地」札記;「哭長孫侍御」札記 ほか)
2 杜甫の詩と詩語(「朱門酒肉臭」札記―杜甫「自京赴奉先県詠懐五百字」;「家書」は届いたか―杜甫「春望」の「家書抵万金」について;「家中」とは妻のことか―杜甫「縛鶏行」について;「帯」の用法から見た杜甫の詩;杜甫の詩と「鯨魚」 ほか)
附編 杜甫はいつから「詩聖」になったか
著者等紹介
後藤秋正[ゴトウアキノブ] 
東京教育大学文学部漢文学専攻卒業。同大学院博士課程中国古典学専修単位取得退学。北海道教育大学教授を経て、名誉教授。博士(文学)。日本杜甫学会理事。唐代文学、特に杜甫の文学を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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