内容説明
人びとは何を読み、どのように学んできたのか―。古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問―漢学―は、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家々では、諸種の漢籍写本・刊本を入手し、独自の学問を形成していった。書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいかに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。
目次
本篇(古代・中世日本人の読書;日本に現存する漢籍古写本―唐鈔本はなぜ読み継がれたのか;古代・中世漢文訓読史;平安貴族の読書;藤原道長の漢籍蒐集 ほか)
附篇(『朝野群載』巻十三の問題点;日本漢学史上の句題詩;『本朝麗藻』所収の釈奠詩―句題詩の変型として;藤原有国伝の再検討;大江匡房と藤原基俊;大江匡房の著作と『新撰朗詠集』;平安後期の文章得業生に関する覚書;「玉葉」に見られる課試制度関連記事の検討;平安時代の詩宴に果たした書霊運の役割)
著者等紹介
佐藤道生[サトウミチオ]
1955年生まれ。慶応義塾大学名誉教授。専門は古代・中世日本漢学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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