内容説明
生きる喜び、人を愛する幸せ、愛するがゆえの苦悩、別れの悲しみ、老いへの恐れ…『源氏物語』に登場する人物たちは誰もが歌をよみ、その心情を伝える。また、古歌を踏まえた表現―「引歌」―により、物語の世界観はより一層豊かなものとなっている。本書では『源氏物語』のあらすじを、作中人物歌・引歌とともに丁寧に解説。作中人物の重要な会話文や心内語(心中思惟)をも丹念に読み解く。臨場感あふれる魅力的な物語世界を感じることができる、『源氏物語』入門書としても最適な一冊。
目次
第1部 栄華への道のり(光源氏誕生―桐壺(一)
雨夜の品定め―帚木(二)
空〓との恋―帚木(二)・空〓(三) ほか)
第2部 欠けてゆく月(女三の宮の六条院降嫁―若菜上(三四)
女三の宮、柏木の子を宿す―若菜下(三五)
女三の宮の出家と柏木の死―柏木(三六) ほか)
第3部 光源氏亡き後・宇治十帖(匂ふ兵部卿と薫る中将―匂兵部卿(四二)
按察大納言一家の物語―紅梅(四三)
故髭黒太政大臣家のその後―竹河(四四) ほか)
著者等紹介
伊東祐子[イトウユウコ]
1988年学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(日本語日本文学)。学習院大学助教。都留文科大学非常勤講師。NHK文化センター青山教室講師、学習院さくらアカデミー講師、他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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