内容説明
東アジアの仏教伝播、そして、木版印刷の文化伝播を考える上で、各地に襲蔵される「宋版一切経」は避けては通ることのできない重要な文化遺産である。近年、書誌学的・目録学的研究の進展を見せる「宋版一切経」の中でも「福州版」について、実際の調査の中から得られた、特徴的な装訂・版式、補刻の様相や印記等に関する知見を提示。さらには、関連論文、附録を収載した、初めての「福州版一切経」調査ハンドブック。
目次
1 印刷漢文大蔵経の簡紹・説明と福州版大蔵経の問題点
2 福州版大蔵経―『東禅寺版(一切経)』『開元寺版(一切経)』
3 調査―その現場と調査など
4 書物としての宋版一切経―書物各部の名称・版式としての名称など(福州版の装訂について;調書項目の解説と記入の実例・注意点)
5 応用篇(面数と厚さ―五面一紙混入のことなど;題記・入れ木(埋め木) ほか)
論考
附録