近世戯作の“近代”―継承と断絶の出版文化史

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  • サイズ A5判/ページ数 401p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784585291749
  • NDC分類 913.5
  • Cコード C3095

出版社内容情報

幕末から明治初頭、猥雑卑野なる文学として評価された「戯作」は、国民国家のあるべき文学の姿のなかから転落した―。仮名垣魯文はまさにその時代を生きた戯作者であった。
モノ・情報の流通網が広がり、新聞という装置が誕生したことで、魯文ら戯作者は「事実」を物語として消費させる新たな手法を得ていく。
しかし、それは新政府による規制とのせめぎあいでもあった。
その一方で、近世期の戯作は規制に縛られた出版を打開するものとして、大量の読者を生み出し、復活を遂げていく…。
資料の博捜により移行期の出版文化のあり方を活写し、近世と近代における継承と断絶の諸相を明らかにする快著!

内容説明

社会の変容に出版界はいかに対応したか―。幕末から明治初頭、猥雑卑野なる文学として評価された「戯作」は、国民国家のあるべき文学の姿のなかから転落した―。仮名垣魯文はまさにその時代を生きた戯作者であった。モノ・情報の流通網が広がり、新聞という装置が誕生したことで、魯文ら戯作者は「事実」を物語として消費させる新たな手法を得ていく。しかし、それは新政府による規制とのせめぎあいでもあった。その一方で、近世期の戯作は規制に縛られた出版を打開するものとして、大量の読者を生み出し、復活を遂げていく…。資料の博捜により移行期の出版文化のあり方を活写し、近世と近代における継承と断絶の諸相を明らかにする快著!

目次

第1部 事実と稗官者流―仮名垣魯文(稗官者流の“明治”;仮名垣魯文『松飾徳若譚』と史伝;お仲狂乱―魯文『恋相場花王夜嵐』考 ほか)
第2部 近代における近世的なるもの―出版・流通・蔵書(近世戯作の“近代”;京伝読本の“明治”―明治二十年以前;読本の“近代” ほか)
第3部 戯作の“近代”・その周縁(書物瞥見一・二;書物流通の幕末・明治;稀書翫味の交遊圏 ほか)

著者等紹介

山本和明[ヤマモトカズアキ]
1962年生まれ。国文学研究資料館教授。専門は19世紀日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。