内容説明
一〇六冊一八〇回で構成された壮大な物語の核心を、的確かつ読みやすく要約したあらすじを収録。「艶墨」「薄墨」などの特殊技法を駆使して描かれた口絵・挿絵、約三五〇点を初版初刷り本から全点掲載。各場面の口絵・挿絵に添えられた、和文・漢文、枕詞・掛け言葉を多用した難解な美文を翻字。簡潔な解説を付けて絵の読みを助けた。著者の研究成果を示す、『八犬伝』要所の典拠を提示。『水滸伝』『三国志演義』など、享受の有り様を確認できる。
著者等紹介
徳田武[トクダタケシ]
1944年群馬県生まれ。明治大学名誉教授。早稲田大学第一文学部卒、1974年同大学院博士課程修了。文学博士。1979年に窪田空穂賞、1980年に日本古典文学会賞、1987年『日本近世小説と中国小説』で日本学士院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なおこっか
2
絵を中心に据えるにしては、半端な企画でしたね。八犬絵研究は後進待ちなのかもしれませんが。例えば表紙の芳年さんの浮世絵と、読本内の口絵と挿絵は意味合い違うしょ。口絵挿絵の下絵をわざわざ馬琴さんが描き示したなら、その辺り深掘りの余地ありまくり、ということしか今回わからんかった。毛野の鈴ヶ森仇討「白布の四天の下に細鎖の網衣を被て」「大刀を真額に抜翳して飛が似くに走掛れば」「人なき境に入る如く当るにまかしてきり倒せ」とか大好きなひとにとっては、あらすじ一行で話だけ進むっていうのはどうにも物足りなかったです。2018/11/03
takogon
1
上巻同様、現代語訳の八犬伝を読んだばかりなので、浮世絵師が描いた「絵」を眺めて楽しんだ。2024/03/10