内容説明
日本の古典における男色の世界、二次創作、「萌え」の共振、そしてアジアにおけるBL解釈からLGBT事情まで、時代や国の中で変化していく、恋愛・性愛の多様性を探る。
目次
第1部 男色と古典のノベライズ・コミカライズ(座談会 「男色のコミカライズをめぐって」;針のある梅―ボクのために死ねますか?;あまりにもか弱い美少年のあまりにも強い愛情―井原西鶴の「香木男色譚」二題;涙と笑いの男色セレクション―『男色大鑑』の影響下に生まれた作品より;アダプテーションから読む『男色大鑑』―「萌え」を共振・増幅させていく「創作」 ほか)
第2部 男色とアジア文化圏(座談会 「タイとインドの男色文化、その多様性をめぐって」;タイにおける性的多様性と文学の読みの可能性について―男色表象からBL解釈まで;タイの男色とLGBT;アンコール・ワットの「二形」;“鳥”の文学―渇望される“自由”の時代的変化とLGBT文学 ほか)
著者等紹介
染谷智幸[ソメヤトモユキ]
茨城キリスト教大学文学部教授。専門は日本近世文学、日韓比較文学
畑中千晶[ハタナカチアキ]
敬愛大学国際学部教授。専門は日本近世文学・比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
4
元禄時代の文学者として、芭蕉、近松に比べ人気がないのが西鶴。俳句や歌舞伎に比べ、江戸の小説は現代人に馴染めないのが一因らしい。西鶴の「男色大鑑」をコミカライズしたものが登場し話題となった。近年話題のBL(ボーイズラブ)に一役買ってもらえば、西鶴人気も盛り上がるかもしれない。元々イケメンがスーパーダーリンに見初められるスパダリものが主流だったBLにも変化がみられるようになった。男色大鑑のようなマイナーなものが受け入れられたのも、BLのすそ野が広がったおかげ。だが江戸時代の方がLGBTを認知していたのが意外。2017/12/04
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