内容説明
四世紀から十一世紀にかけて草原世界から中国東端にわたるユーラシア地域を移住しながら交易活動を行ったソグド人。その言語・文化・信仰や各地域における様相を、編纂史料のほか新出の石刻史料・出土文書史料・文物を用いた最新の研究成果で明らかにする。またその東方活動を通して中国史を相対化し、新たな東ユーラシア世界の歴史を構築する。
目次
総論 ソグド人と東ユーラシアの文化交渉―ソグド人の東方活動史研究序説
1 ソグド人の文化と思想(信仰)(ソグド文字の縦書きは何時始まったか;中国におけるソグド姓の歴史;唐代中国におけるソグド人と仏教;ソグド人の墓と葬具―中国とソグディアナ)
2 唐朝の中のソグド人(『天聖令』と唐のソグド人;トゥルファンにおけるソグド人;ソグド人と敦煌;長安・洛陽のソグド人;北朝末―唐初におけるソグド人軍府と軍団;八世紀半ば~十世紀の北中国政治史とソグド人)
3 草原世界の中のソグド人(突厥碑文から見るトルコ人とソグド人;突厥とソグド人―漢文石刻史料を用いて;西突厥におけるソグド人;ソグドからウイグルへ)
感想・レビュー
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非実在の構想
1
ソグド語が縦書きか横書きかから、ソグド人がウイグルに飲み込まれるまで概観できる。突厥も詳しい。2017/10/28
韓信
0
東ユーラシアにおけるソグド人の活動を、ソグド・テュルク研究の第一線で活躍する研究者たちが各々の専門分野から多角的に論じる概説書。テーマはソグド文字は縦書きか横書きか、中国におけるソグド姓の歴史、宦官や禁軍など国家権力と結びついたソグド仏僧の活動、ソグディアナの墓葬、唐朝のソグド人に対する課税、トゥルファンや敦煌から長安・洛陽まで各地におけるソグド人の諸相、ソグド軍団の府兵制への編入と解体、北中国におけるソグド系突厥の活動、突厥碑文や中国側石刻史料等からうかがう突厥、西突厥、ウィグルとの関係など。2018/07/06