内容説明
情報の伝達・蓄積媒体である文書。特にヒト・モノの結節点である都市においては膨大な量の文書を作成・授受・保管してきた。蓄積された過去情報は社会集団により選択、再編集され、集団の記憶として儀礼や顕彰などの行為をともない再生産されていく。文書の保管と記憶の創生という観点より近世都市の歴史叙述のありかたを考察する。
目次
第1部 近世都市の文書保管(在方町における文書保管と存在証明文書―播州三木町;文書保管からみた陣屋町の社会構造―飛騨高山;城下町における文書類型と文書保管―久保田(秋田)
個別町における文書保管―京都六角町
巨大都市の町方行政における過去情報の蓄積と利用―江戸)
第2部 近世都市の記憶(文書保管儀礼と歴史叙述―播州三木町;記憶の創造と編集―近江八幡;存在証明文書の実践―近江八幡;地域の記憶と装置)
著者等紹介
渡辺浩一[ワタナベコウイチ]
1959年東京都生まれ。博士(文学)。1987年東北大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。人間文化研究機構国文学研究資料館、総合研究大学院大学文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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