内容説明
日本の大乗仏教諸宗と遙かなブッダの分断を、ふたたびつなげるために―降誕、四門出遊、スジャーターの乳粥、悟りから入滅まで、釈迦の生涯のエピソードを古代インドの神秘とともにつづる。そして、千年の時を超えて編まれた諸経典の言葉を取り上げる。
目次
第1部 ブッダの生涯と智慧の説示(シッダールタ―一人の王子の生誕と出家;智慧の説示―ブッダの伝道;ブッダの入滅―仏塔建立)
第2部 経典の言葉(言葉の花束―伝承;悲しみの王妃―西方浄土を念じよ;ダルマーカラ菩薩の誓願―阿弥陀仏と極楽の由来;長老たちのチャイトヤ―仏典結集とブッダの栄光;智慧のヴァジュラ―般若経典と大乗仏教の表出 ほか)
著者等紹介
大角修[オオカドオサム]
1949年、兵庫県生まれ。東北大学文学部卒(宗教学宗教史専攻)。宗教評論家・地人館代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
0
仏教の成立期の復習書としても読み易く、第二部ではその後の大乗仏教の基本経典の解説書としてもわかりやすい、という意味で、仏教全般の概論書としての好書であると感じられた。そして、タイトルにある「ブッダと神々の物語」、という言葉には、神仏習合という宗教文化の在り方が、日本特有のものではなく、もともとの仏教に見られる性質であるということをあらためて気付かされた。もちろん、バラモン教,ヒンドゥー教の神々と日本古来の神々というように融合相手の性質は異なるが、共に他宗教の神々を否定するのではなく、→(2) 2024/01/31