内容説明
メディアを騒がした大津市のいじめ自殺のような事件は80年代半ばから、繰り返し大きく報道されては忘れられてきた。問題は学校が社会の常識から乖離した閉鎖空間になっており、「加害者を処罰する」そんな当り前が通用しない治外法権の場になっていることにある。いじめの蔓延を防ぐための唯一の手段は、聖域と化した教育現場に市民社会のルールを導入することなのだ。本書ではいじめが起こるメカニズムの分析から、学校、教育委員会、市政といった教育ムラによるいじめ隠蔽の構造、ネットに流出する加害者の個人情報、マスコミ報道の問題点まで、いじめ研究の第一人者である著者が踏み込んでいく。
目次
第1章 大津いじめ自殺事件は特別ではない(大津いじめ自殺事件の起こした波紋;いじめ事件に驚く人々 ほか)
第2章 いじめ発生のメカニズム―なぜいじめが蔓延するのか(「学校モード」と「市民社会モード」;学校という名の強制収容所で ほか)
第3章 いじめ隠蔽の構造とマスコミ報道(教育現場の隠蔽体質;教育ムラの論理 ほか)
第4章 いじめの蔓延を防ぐには(無力ないじめ対策;カリスマ先生は量産できるか ほか)
第5章 個人はいかにいじめに対処するか(いじめは対岸の火事ではない;チェックリストの害 ほか)
著者等紹介
内藤朝雄[ナイトウアサオ]
日本で唯一、感情的・道徳的ではなく、いじめの冷静な分析をすることができ、有効な政策を提言できる社会学者。1962年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、明治大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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