出版社内容情報
明治期、日本は外国人を頼ってまで軍歌や国歌を性急に必要とした。だがなぜ、敵性用語が禁止された太平洋戦争時代に作曲者の名前を伏せて使われ続けたのか。その真実に迫る。
内容説明
明治に入り、日本は欧米列強に対抗すべくさまざまな近代化を推し進める。音楽も例外ではなく、外国人音楽家の力を借りて国歌『君が代』が誕生、さらに『陸軍分列行進曲』が、フランス人音楽家の曲をもとに、編曲を繰り返すことで陸軍が制定する行進曲につくり上げられていく。太平洋戦争へと突き進むなかで敵性音楽は禁止される。だが、「出陣学徒壮行会」の場で、作曲者の名を伏せて行進曲は使用されたのだ。敵性音楽を平気で用いるしたたかさは、どこからくるのか。音楽史の視点からその“闇”を明らかにする!
目次
第1章 『陸軍分列行進曲』とシャルル・ルルー
第2章 『陸軍分列行進曲』はなぜつくられたのか
第3章 ふたつの『君が代』
第4章 奮闘!伊澤修二の心意気
第5章 新国歌制定のむずかしさ
第6章 新国民歌『われら愛す』のまぼろし
第7章 伝統音楽にみる日本人のDNA
第8章 日本人が発明した邦楽器
著者等紹介
大山眞人[オオヤママヒト]
1944年山形市生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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