平凡社新書<br> 神と肉―日本の動物供犠

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平凡社新書
神と肉―日本の動物供犠

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  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582857306
  • NDC分類 163
  • Cコード C0239

出版社内容情報

はじめに

序章 生命と儀礼
生命という存在/人間と食物/儀礼の発生/儀礼と供物/野獣と家畜

第一章 沖縄の動物供犠から
第一節 沖縄と日本
沖縄の位置/沖縄に残る肉食文化
第二節 南島のシマクサラシ
除厄儀礼としてのシマクサラシ/シマクサラシの儀礼要素
第三節 志喜屋のハマエーグトゥ
大屋門中のハマエーグトゥ/ハマエーグトゥの次第/沖縄の水田と志喜屋
第四節 ハマエーグトゥの意義
ハマエーグトゥと浜下り/ハマエーグトゥと踏耕/ハマエーグトゥと陰陽五行説
第五節 沖縄の動物供犠
国頭地方のウシヤキ/八重山諸島の動物供犠/沖縄の動物供犠

第二章 中国大陸・朝鮮半島の動物供犠
第一節 古代中国の動物供犠
中国の文明と農耕/中国の動物供犠/動物供犠と農耕
第二節 華北と華南の動物供犠
黄河文明と動物供犠/華北における犠牲の体系/長江文明と動物供犠
華南における供犠動物
第三節 古代朝鮮の動物供犠
古代朝鮮の神話と農耕/自然神崇拝にみる農耕と供犠/犠牲獣としての家畜と野獣
第四節 近代朝鮮の動物供犠
模造ウシによる農耕儀礼/雨乞いと動物供犠/動物供犠における朝鮮と日本

第三章 日本における動物供犠の痕跡
第一節 動物供犠と農耕儀礼
シカの血と農耕/シカの血の民俗/オビシャと農耕儀礼
第二節 生贄の存在
活かせておく牲/生贄と牲/野獣の生贄
第三節 胙と動物供犠
神籬と胙/釈奠と胙/胙の変容
第四節 祝と犠牲
屠と祝/祝と土蜘蛛

第四章 野獣の供犠と農耕
第一節 縄文的祭祀と弥生的供犠
狩猟と縄文的祭祀/農耕と弥生的供犠
第二節 日光山・諏訪・阿蘇の狩猟祭祀
日光山とシカの贄/諏訪の御頭祭/阿蘇の下野狩り/狩猟の論理
第三節 弥生的供犠の進展
菟足神社の風祭/風祭の系譜/諏訪と農耕/阿蘇と農耕
山間部の狩猟と農耕/山の神から田の神へ
第四節 野獣供犠の伝統
中山神社の人身御供/贄賄狼神の性格/中世の野獣供犠と仏教説話
近世文献にみる野獣供犠/野獣供犠の持続

第五章 家畜の供犠と農耕
第一節 牛馬の移入と供犠
牛馬の移入/野獣から牛馬へ/牛馬の供犠と農耕
第二節 供犠における野獣と家畜
野獣と家畜の供犠/御歳神とウシ/『古語拾遺』の新解釈/祈年祭の白馬
第三節 大陸・半島的供犠の否定
漢神の祭とその禁令/大陸・半島的供犠の否定/動物供犠への国家的対応
動物供犠への宗教的対応
第四節 家畜供犠の伝統
中世の雨乞い供犠/近世・近代の家畜供犠/供犠動物としてのウマ 
民俗としてのウマの供犠/日本における供犠と穢れ/穢れの日本的特色
日本における動物供犠の特色

終章 人身御供・人柱と首狩り
動物供犠から人身供犠へ/オナリ女の存在/人柱と農耕/首狩りと農耕

参考文献・典拠文献

あとがき

内容説明

肉を米と対立させる国家の建前とは別に、米の農作のためにこそ神に肉を供える儀礼が、この国でもずっと行われてきた。もうひとつの日本の歴史を掘り起こす。

目次

序章 生命と儀礼
第1章 沖縄の動物供犠から
第2章 中国大陸・朝鮮半島の動物供犠
第3章 日本における動物供犠の痕跡
第4章 野獣の供犠と農耕
第5章 家畜の供犠と農耕
終章 人身御供・人柱と首狩り

著者等紹介

原田信男[ハラダノブオ]
1949年栃木県生まれ。明治大学大学院文学研究科博士課程退学。博史(史学)。現在、国士舘大学21世紀アジア学部教授。専攻、日本文化論、日本生活文化史。主な著書に、『江戸の料理史』(中公新書、サントリー学芸賞)、『歴史のなかの米と肉』(平凡社ライブラリー、小泉八雲賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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HANA

48
日本における動物を贄とする祭祀を論じた一冊。主に沖縄、中国、朝鮮の供犠を広い視点で俯瞰しながら、それが日本に伝わり変化していったかを考察している。面白く感じたのは日本に伝わった後、家畜を贄とする部分が衰退していき狩猟による獲物がその中心となったという点とその変遷の部分。それにしても諏訪社の神事は有名だけど、他にも阿蘇を始めとして全国に動物を贄とした祭祀の残留が見られるというのは事の他教えられる。ここで説かれているのは祭祀というハレの日限定だが、日本人と動物のある一面が示されていて興味深く読む事が出来た。2014/12/22

ハチアカデミー

17
古代日本において肉食はなされていたのかいなか。本書はその謎を解き明かさんがために、沖縄に残る事例や中国・朝鮮の事例、そして日本に残された数多の文献を逍遙する。弥生時代に米作の文化が広がり、そのための供物として動物の肉が捧げられた。捧げられた肉は当然、儀式の後に食される。その行いを通して、聖性を己の中に取り込む。つまり、肉食はなされていた、というのが本書の解である。もちろん、社会には様々な階層があり、残された文献もまた、一部の歴史にすぎない。事の真相はわからないのだが、どこまでわかるかに迫った一冊である。2014/05/31

yamatoshiuruhashi

9
日本人と肉食、動物供儀の考察。新書版一般向けにしては少しハードかな。古代日本において「肉」は全て「シシ」と呼んだ、という話などは「鹿威し(シシオドシ)」、「猪(イノシシ)」などですぐにわかる、目から鱗の話であったが、沖縄の動物供儀から日本人の肉食を考察などとなると、民俗学の素養なくしては少し理解しにくいと思う。そして私はその素養のないグループに所属しています。2016/04/29

Schuhschnabel

5
日本史における米と肉との関係について扱った『歴史のなかの米と肉』の続編という位置づけの新書。前著の印象が残っているうちに読んだので何となく言わんとしていることはわかるが、前著を読まないでこの本の展開を理解するのはなかなか難しいような気がする。動物供犠を野生と家畜に分けて、その歴史的展開について説明している。ただ、鹿や猪が前者に分類され、牛や馬が後者に分類されるということはわかるものの、微妙な事例(イヨマンテの熊など)をどのように扱えばよいかについては疑問が残る。2017/05/02

Juichi Oda

4
諏訪大社では「鹿食免」といって、鹿の肉を食べてもいいですよ、というお札を配っています。つまりそれは、本来「肉を食べてはいけない」という常識があった時代のものなわけです。明治になって牛や豚の肉を食べることが文明開化と言われるまで、日本では肉食が禁忌とされていました。でも実は、古くから、こっそりと、神様との関わりの中で獣の肉は食されていたというのです。それは縄文からの狩猟採集生活に根ざしたものではなく、弥生以降のコメの豊作を祈ることとの関連があった、というのがこの本の軸です。面白いけど、時間がかかりました。2014/09/08

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