内容説明
二〇一一年春の民衆蜂起が武力抗争に発展、いまだに不安定な状態が続くシリア。帝国主義の時代でも、度々繰り返された中東戦争の時代でも、シリアは歴史に翻弄され続けてきた。四十年余りにわたってアサド家二代の独裁政権が続くこの国は、一体どこへ向かうのか。前大使としてこの国を知り尽くした著者が、「中東の活断層」シリアを解剖し、未来を読む。
目次
第1章 吹き荒れた春の嵐(大嵐の前兆;嵐を巻き起こした子供たちの落書き ほか)
第2章 中東の活断層(民族と宗教の坩堝;バアス党政権奪取と権力闘争 ほか)
第3章 シリアをめぐる国際状況(制裁に踏み切った湾岸諸国;シリア・イラン友好関係を問題視 ほか)
第4章 ハーフェズ・アサド大統領の三十年(第一次中東戦争;バアス党政権の独り相撲 ほか)
第5章 バシャール・アサド大統領の十年(ハーフェズ・アサド大統領の死;アサド家の人びと ほか)
著者等紹介
国枝昌樹[クニエダマサキ]
1946年神奈川県生まれ。70年、一橋大学経済学部卒業後、外務省入省。在エジプト大使館一等書記官(78‐81年)、在イラク大使館参事官(89‐91年)、在ヨルダン大使館参事官(91年)、ジュネーブ軍縮代表部公使(91‐94年)、在シリア大使(2006‐10年)。そのほか、在ベルギー大使館公使、ベトナム・ホーチミン市総領事、在カメルーン大使などを歴任。2010年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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