平凡社新書
科学者としての宮沢賢治

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855333
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0240

内容説明

詩人、童話作家、科学者等々、多彩な顔をもつ宮沢賢治。しかしその世界観は一貫しており、幻想的で、四次元的な感覚によって成り立っていた。妹の死や、度重なる肺炎などの病、貧困による絶望感に加えて、故郷の南部北上山地の独特の民俗、歴史、地層などが渾然一体となり、特有の感性が培われていったのだ。現代の科学的知見を手掛かりに、賢治思想の核心に迫る。

目次

第1章 時空をこえて(幻想と幾何学;空間論と四次元感覚 ほか)
第2章 『銀河鉄道の夜』の世界(『銀河鉄道の夜』;銀河系と星空への招待 ほか)
第3章 東北砕石工場と『雨ニモマケズ手帳』(南部北上山地;東北砕石工場 ほか)
第4章 「まことのことば」と“小さないのち”(『春と修羅』;“原初のいのち”(エレメンタリー・ライフ) ほか)
第5章 デクノボー・ビー・アンビシャス(イーハトーブを小文字で書く;修羅科学者―核の時代に生きる ほか)

著者等紹介

斎藤文一[サイトウブンイチ]
1925年岩手県北上市生まれ。東北大学理学部卒業。新潟大学名誉教授。専攻は物理学。理学博士。宮沢賢治イーハトーブ館前館長。詩誌『歴程』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鉄之助

283
宮沢賢治の作品の中に、地質や化学に裏打ちされた表現があることは知っていたが、宇宙や物理を含めて「科学者」の視点があった、との指摘が新鮮。『銀河鉄道の夜』に4次元的な色彩があったと著者はいう。賢治は1915年(大正4年)に出版された『化学本論』を愛読し、当時、黎明期にあった量子力学を理解していた。面白い賢治像だったが、後半は、原子力に批判的な著者の色が強すぎて、?と思う箇所が多く読みにくかった。2024/08/05

紙狸

15
2010年刊行。著者・斎藤文一氏は宇宙物理学者であり宮沢賢治研究者。1976年に出版された『宮沢賢治とその展開』を若い頃に読み、自然科学を踏まえた独自の論に鮮烈な印象を受けた。斎藤氏はその後も賢治の世界への探求を続けていたのだなとの感慨がある。その軌跡は作品名でいえば、1976年の「銀河鉄道の夜」から2010年の「雨ニモマケズ」への旅であった。2021/10/09

zel

10
ちょっと苦手。書きぶりかな。2022/07/19

沢辺哲也

2
宮沢賢治は星座に詳しい童話作家、詩人という認識しかなかった(恥ずかしながら) 今日、宮沢賢治記念館に立寄り、宮沢が化学、物理学、地質学、天文学、そして私の専門である農学をも修めた類稀の科学者であることを知った。「銀河鉄道の夜」もただの童話じゃないんですね。宮沢賢治の入門書として目からウロコがとれた1冊でした。2012/11/23

さんまるこ☆305

2
宮沢賢治のロマンチシズムとそれ故の概念化、論理的解釈、真実の追究という相反するものが存在する相乗性に興味があって拝読。あとの解釈については、自分が彼の作品を何度も読んでいるので、自分の解釈もあり作品の引用が多いためうるささも感じた。宮沢賢治のファンとして、読感は悪くないとは思う。2011/06/23

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