内容説明
三井・三菱・住友・安田など、幕末から明治初期にかけて勃興した財閥。第二次世界大戦後のGHQによる財閥解体以降、各産業界の財閥の流れを汲む主要企業がどのような合併・再編を繰り返し、現代企業を形成するまでに至ったのか。企業の足跡をたどれば、ニッポンの未来が見えてくる。
目次
財閥とは何か
三菱財閥、三菱グループ
住友財閥、住友グループ
三井財閥、三井グループ
安田財閥、芙蓉グループ
浅野財閥
大倉財閥
渋沢財閥、第一観業銀行グループ
古河財閥、古河グループ
薩州財閥(川崎造船財閥)、川崎グループ
川崎金融財閥
山口財閥、三和グループ
著者等紹介
菊地浩之[キクチヒロユキ]
北海道生まれ。國學院大學経済学部を卒業後、ソフトウエア会社に入社。企業勤務の傍ら、論文・著作を発表。専門は企業集団、企業系列の研究。2005~06年、明治学院大学経済学部非常勤講師を兼務。06年、國學院大學経済学博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむら
38
有名財閥企業グループの盛衰の歴史。人物よりも企業系列の変遷を広く浅く紹介してくれてるので将来一流企業に就職したい人は読んどくと楽しいかも。三菱グループの人は麒麟麦酒を飲む、とかニッサンは日本産業の略とか、へえーって思う豆知識がそこかしこ。あと各財閥の系図が、これがホントの「人脈」だ!みたいな絡まり具合。そして安田財閥(富士銀行)の系図の中にオノ・ヨーコがいた!へえ!2017/05/02
mitei
26
いろんな財閥と言われる企業の紹介がされていた。その中には没落した財閥もあるし現存している財閥もあるしで企業というものの浮き沈みを実感した。2012/03/18
まめタンク
17
財閥はGHQの政策によって解散させられてしまった。今でいう○○グループが旧財閥に相当するのでしょう。三井、三菱、住友、辺りは知っていても鈴木、渋沢辺りはあまりメジャーでない。本書の目的は副題にもあるように、財閥から現代企業へのルーツを探ること。あの企業とあの企業が合併してこんな企業が生まれたんだ!といった謎解きは面白いです。基本的に財閥は皆、共通している。両替や呉服屋などが起源になっている場合が多い。この本を読んで何をアウトプットするのか分からない。でもちょっとした経済通になれるのでお勧めです。2011/07/01
ひねもすのたり
15
日産厚生会玉川病院というのが二子玉川にあります。長年日産自動車と関係があると思い込んでいたんだけど、企業が経営しているわけではない・・でも少しだけ関係があるらしい・・それってどういう事??どうやら戦前の財閥が絡んでいるらしい・・ということで読んでみました。 三井・三菱・住友・古川・芙蓉グループなどのメジャーなものから中堅どころの財閥の歴史や離散集合を分かりやすく解説しています。 近代遺産や近代産業に興味がある方なら人物面からその成り立ちを知る手掛かりになると思います。★42017/10/23
邑尾端子
11
三菱、三井、住友、安田などをはじめとした、日本の財閥とそのグループ企業の歴史と沿革を紹介する一冊。何となく、三菱なら三菱○○、住友なら住友○○などと企業名称の一部に家名が入っているものが系列企業だろうと思っていたので、実は意外なあの企業も某財閥の系列だったとは!と驚くことが多くて面白かった。あと、各家の系図を見て「やはり近現代でも政略結婚とか同族結婚ってあるんだなぁ…」としみじみ思った。2015/10/07