月光果樹園―美味なる幻想文学案内

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582833980
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0090

出版社内容情報

不思議な果実がたわわに実る豊饒な幻想文学の世界へようこそ。澁澤龍彦・中井英夫の後継者と注目される著者による幻想文学案内書。

内容説明

現実にはありえない、しかしなぜか懐かしい、無垢なるものへの憧憬。澁澤龍彦・中井英夫に見出された異才が誘う甘美で豊饒な現想文学の世界。

目次

第1章 山査子
第2章 葡萄
第3章 檸檬
第4章 巴旦杏
第5章 橄欖樹
第6章 桜桃
第7章 柘榴
第8章 無花果
第9章 棗
第10章 茘枝

著者等紹介

高原英理[タカハラエイリ]
1959年三重県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で、澁澤龍彦・中井英夫を選者とする第1回幻想文学新人賞を受賞(加藤幹也名義)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で、第39回群像新人文学賞評論部門で優秀作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

27
徒手空拳、という言葉がしっくり来るように思われる。既存の批評家が描いた図式に寄り掛かるのではなく、自分の頭で考えた理論の枠組みで作家を批評していく。その生真面目/生硬な姿勢は買いたい。中井英夫や稲垣足穂を読みたくさせられた。悪く言えばその分論理の遊び/遊戯が足りないとも言える。ぶっ飛んでいないのだ。その意味で、小説仕立ての批評文は著者のリリカルな持ち味が出ていてとても好ましく思われた。この書き手の小説を読んでみたい……そう思わせられたのである。何処か橋本治にも似た資質を感じたのだけれど、私だけなのだろうか2019/08/01

不在証明

4
高原英理さんの評論は相も変わらず解り易い。坂口安吾論が良かった。安吾では堕落論や白痴が好きで、桜の森の満開の下を読んだ時はうーん…?これは…女の人が…。と微妙な感じだった。そのうまく説明できない何かを著者は言葉で明確に表している。いたく納得できた。そして今回は異常なほどのタルホ愛が伝わってくる。2015/02/07

he

1
月の光で生った果実は甘すぎた。幻想嗜好の甘味だけを抽出したかのような語り口はその心地よさがむしろむず痒い。なかでも足穂評は思いひとしおといった勢いだが、幾分借り物の言葉が目立ち、どこか精彩を欠くところも少なくはない。批評家ではなく敢えて憧憬者の立場を取ったのだろうか。逆に、澁澤龍彦という薄雲のような人物像をうんちく混じりにてきぱきと解剖していく様は見事。また、私は女流については全くの無教養だが、幻想文学者に男も女もないというくだりは歯切れがよくて気に入った。2014/06/30

0
高原英理の稲垣足穂スキーがよく分かった(終わり)2012/08/30

katta

0
☆☆☆ 幻想小説家にして評論家の著者が「憧憬」をキーワードに作家それぞれの作品を論じていく。取り上げた作家の数が多くて少々散漫な感じがした。でも読んでいない作家を追いかけたくなる。2009/02/22

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