出版社内容情報
林忠彦の生涯の仕事を俯瞰した、決定版となる写真集。戦中からの激動の日本―時代の顔を捉えた434点の写真でつづる林忠彦写真集決定版。
2018年、生誕100年を迎えた林忠彦の生涯の仕事を俯瞰する。
記録としても貴重な戦中・戦後の写真、作家をはじめとする著名人の肖像写真、また晩年の東海道シリーズに代表される日本の風景をとらえた写真などを収録。
瀬戸内寂聴の特別インタビューをはじめ、林忠彦と親交の深かった井上靖、大佛次郎、東郷青児のエッセイも掲載し、人間・林忠彦の魅力にも迫る一冊となっている。
林忠彦[ハヤシタダヒコ]
写真
目次
図版(戦中のドキュメント;戦後日本の歩み;AMERICA 1955;文士の時代;時代の象徴;物語る風景)
文(時を射る写人(有田順一)
『日本の作家』序(大佛次郎)
『日本の作家』あとがき(林忠彦)
林忠彦氏の仕事(井上靖)
顔の中の顔(東郷青児)
忠さんの人の力、写真のチカラ(瀬戸内寂聴)
カストリの頃。(林忠彦)
生きざまの表現(林忠彦)
針の穴から江戸の面影を(林忠彦))
著者等紹介
林忠彦[ハヤシタダヒコ]
1918~90。大正7年、山口県徳山市(現・周南市)に、写真館の長男として生まれる。戦中、戦後を通じ、雑誌のグラビアページを中心に第一線で活躍。太宰治、坂口安吾らの文士の写真をはじめ、人物写真に多くの傑作を残す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みち
24
昭和の著名人の、生き生きとした写真がたくさん載っている。名前しか知らなかった人の写真が見れて、ますますその人の作品が読みたくなった。表紙の太宰治がやっぱりかっこいいな。2020/10/22
わんつーろっく
12
本よみうり堂の書評から手にとる。まさに時代を語る写真を撮り続けた林忠彦の仕事。銀座のバーのスツールであぐらをかいて、誰かと語らう、あの有名な太宰治の写真を撮ったカメラマンである。作家や画家の多くの肖像写真は、背景にその人の佇まいや風情が生きている写真が好きという。写真はうまいとか下手はあるものだが、一番のポイントはやはり記録性にあるのではないかと振り返り、リアリティのある、しかもヒューマニズム豊かな写真を撮っていきたいと語る。戦中から戦後日本の歩み、消えゆく風景の一瞬、自然の静謐さ。何度もページをめくる。2018/07/14
hitotak
8
終戦直後の東京を写した『カストリ時代』、太宰治等無頼派作家たちを撮った写真が特に有名な『文士の時代』等から世の中によく知られた作品がいくつも収められている。「時代を語る」という題名通り、肖像写真であっても、今までは消えてなくなった風景や人々の服装、写り込んだ街並みなどに非常に当時の雰囲気が感じられて、昭和の記録として貴重なものだろう。カラーで撮影された晩年の東海道や九州の風景写真は初めて見た。不自由な体での過酷な撮影だったというが、それまでの情報量の多い写真とは対照的に、ひたすら静かで美しい世界がある。2018/09/02
駄目男
7
瞬間を切り取り映画のスチール写真のように、その一枚は時の刻みを忘れて永遠に語りかけていました。 林忠彦がいなかったら、この写真は生まれなかった。 太宰文学の生命力を今に伝える一枚ですね。 総動員令の中の日本と占領下の日本、逞しく生きる日本人を林は活写し、私の思い出の中にない日本と日本人を見る懐かしさ。「文士の時代」では日本を代表する多くの小説家を掲載し後世に残されたことは実に幸い。 そんな写真集をある日、本屋で見つけ買わずにいられなかった。失われた日本と日本人、どれも貴重な写真ばかり。2018/06/28
kaz
2
戦中から昭和末頃までの、日本の風景や文化人の写真。1955年のアメリカの写真もあるが、当時の日本の風景と比べ、非常に明るい世界が切り取られている。「洋モクをくゆらす戦災孤児」等、何枚かは既に観たことがあった。昭和30年頃でも、九十九里浜では男性は素っ裸、女性も上半身裸で働いていたとは驚き。2018/08/25
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