出版社内容情報
ある時は酒を酌み交わし、ある時は死について考え、多彩な文学者や芸術家との深い交流のなかで、文学が生まれる現場を描き出す。
内容説明
本をめぐる気ままな随想が、いつしか文学者・藝術家をめぐる回想へと繋がっていった。つねに文学が生まれる現場に立会い、小沢書店とともに生きた30年の思い出を、「昨日の花束」として読者に捧げる初めての随想集。
目次
記憶の中の本
春には詩集を―大岡信
中空に遊ぶ―大庭みな子
「読み・書き・散歩」―富士川英郎
晩春の花見―野々上慶一
失われた「時」の行方―高橋英夫
夕暮れの時はよい時―秋山駿
梅雨空の夢想―遠山一行
雲白く遊子悲しむ―水上勉
月出れば盆踊りせむ―前登志夫〔ほか〕
著者等紹介
長谷川郁夫[ハセガワイクオ]
1947年神奈川県生まれ。早稲田大学文学部在学中に小沢書店を創業、2000年9月まで社主を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2024/04/19
波多野七月
2
この一冊を片手に、神保町をただぶらぶらと歩いてみたい。疲れたなら、珈琲の香りのたちのぼる喫茶店でひとやすみして。古びた紙の匂いや、のんびりした午後の時間を味わいたい。「紡書月刊」の連載を中心に、文学や芸術への回想や書物にまつわる文章をまとめた随筆集。どこか、よく日にあたった枯れ草の匂いを思わせる、淡々とした文章が心地いい。かつて文学を愛する若者だった、中高年から年配の世代の男性読者にすすめたい一冊です。2014/08/02
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1
「名詩集たる条件は、伊達のいう「売れない」ことと、もう一つ、中也の例が示してくれているように「伝説」となることである。『山口哲夫全詩集』は最初からそれを意図して造られている」(「伊達得夫と昭和の詩集」205ページ。)2020/08/27