内容説明
フランスのP.ペリオとあいならんで世界的な西域史研究者として知られた著者による、一般向けに平易かつ雄大な筆致で描かれたシルク・ロード、中央アジアの文明史。豊富な図版と確かな史眼が見事に融合した歴史叙述の名著の待望久しい復刊。
目次
西域文明史概論(西域の形勢;東西の交通と西域;古代西域の人種;西域に行はれた宗教;仏教美術 ほか)
西域文化史(西域の民族;西域史の曙光;民族の移動;漢の西域経路;貴霜王朝;西域と希臘文化;ソグド人と商業;ソグド語及び天山南路に行はれたる諸語;西域に行はれた諸宗教とその典籍;宗教美術 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いりあ
7
大学の教科書として使用していました。西域の文化史を扱った書籍としては、すでに古典の域に達している本です。西域、シルクロードという言葉は知っていてもなかなか馴染みがないですし、いわゆる中央アジアと言われてもピンときませんが、本書を読んだあとはグッと身近に感じることが出来ます。ちなみに、分類は様々ですが、西トルキスタン(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)などが含まれます。2018/01/03
古隅田川
0
衝動買いして最初の数章を読んで、面白くないというか難しいので投げ出していた。この状態が数年続いたが、その間に読んだ本が良かったようで中国の宗教、絵画等にも興味を持てるようになり、2度目の挑戦で最後まで読み切ることができた。 ガンダーラ、バクトリア等、高校世界史で教わって以来の地名(国名)まで登場するとは思いもしなかった。著者は東洋史の巨人だと思う。満洲語辞書の著者でもある。 この本に出会えたことと最後まで読み通せたことの両方がうれしい。2024/08/02