内容説明
本書は著者が八八歳で刊行した初の著作選集。デザイン論、数々の自作解説をはじめ、伝説的連載「新しい工藝・生きている工藝」、日本と世界のアノニマス・デザイン、そして父・柳宗悦と民藝運動について―。柳宗理の一貫した思考を、この一冊に集成。
目次
デザインとは何か
デザインが生まれる瞬間
新しい工藝・生きている工藝
日本のかたち・世界のかたち
民藝とモダンデザイン
柳工業デザイン研究会
著者等紹介
柳宗理[ヤナギソウリ]
1915年、東京生まれ。父は柳宗悦。東京美術学校洋画科卒業後、シャルロット・ペリアンの日本視察に同行。のちに坂倉準三建築研究所の研究員となる。第2次世界大戦でフィリピンに渡る。1946年帰国後、工業デザインの研究に着手し、1953年財団法人柳工業デザイン研究会を設立、「バタフライ・スツール」をはじめ、台所用品や椅子から高速道路の施設まで、数々のデザインを手がける。ミラノ市近代美術館、セゾン美術館などで個展。1977~2006年、日本民藝館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
55
どこかで目にしたことのあるバタフライスツール。この形状、構造を生み出すまでに柳宗理は数年にわたって、ただ板を温めて曲げる試行錯誤を繰り返したという。図面だけ描いてもいいデザインは生まれない、と。無論民藝運動を始めた父宗悦の影響やコルビュジエと共同でデザインに携わったC.ペリアンの影響も大きいよう。手作りも工業生産もそれは同じ。戦争前後の印象的な挿話も。頻繁にある宗悦夫婦の喧嘩を近くに住んでいた志賀直哉やB.リーチも気を揉んでいた、陶器を焼く窯で使う石炭は戦争で海に沈んだ艦船から引き上げたものを使った等々。2021/09/24
まこ
11
民藝・伝統・手工業と機械・最新を両立させる為には。父親をはじめとする芸術家の先輩の考えや、良いデザインからも考えてみる。著者自身は広告が先行したデザイン、国と合わないものに否定的。それだけだと上手くいかないから、否定した物も上手く落とし込んだデザインは認めている2022/07/18
ひめぴょん
9
人間が造った物に美を見いだしてくだされば幸いです。とあるように、「美」を感じてもらえるような物を作る人のエッセイ。美とは何か 何に美を感じるのか を徹底的に哲学する本とも言えます。以下は文中引用とミニ感想です。アノニマスデザイン(自然に生まれた無意識の美)。その土地の生活の用に準じて、忠実に素直に造られているため、健康な平穏な美しさがあった。例、ジーパン、野球のボール、ピッケル、フラスコ、民藝。 日本の土地で、日本人が、日本の民衆のために、日本の社会的条件で、以上の要素を忠実に守ってデザインすれば、ひとり2023/03/16
mizuiro
9
・アノニマスデザインとは ・用即美とは ・民藝とは ※如何なる過程を経て生産されるのか(73) 著者による辛辣な批判が多い しかし世のため人のためには言わねばならぬ、という批判なのかも むむむ2020/08/11
utataneneko
5
柳宗理のデザインについての基本的な考え方がまず示され、そしてその理想が体現したかのような数々の優れたデザインについて、世界中の製品などから、具体例を見ることができる。その中には、デザインされたものというより、用の美、すなわち使い手の必然から生まれたものも多い。そして、そうしたものこそ最も力強く、そして美しい、という著者の主張に、ただうなずくしかない。2013/12/27
-
- 電子書籍
- でびちゅーばー!!~月城アルカはVtu…
-
- 電子書籍
- ポプテピピック SEASON FIVE…