内容説明
お日さまの光あふれる、あたたかい場所をさがして、ムーミントロールとママは、静けさと暗闇の森の中を進みまするニョロニョロといっしょにどこかへ行ってしまったパパを見つけることはできるのでしょうか。1945年に出版された、「ムーミン」の記念すべき1作目。
著者等紹介
ヤンソン,トーベ[ヤンソン,トーベ] [Jansson,Tove]
画家・作家。1914年8月9日フィンランドの首都ヘルシンキに生まれる。父は彫刻家、母は画家という芸術一家に育ち、15歳のころには、挿絵画家としての仕事をはじめた。雑誌「ガルム」の社会風刺画で一躍有名となる。ストックホルムとパリで絵を学び、1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。1966年国際アンデルセン大賞、1984年フィンランド国家文学賞受賞。おもな作品に、「ムーミン全集」(全9巻)のほか、絵本、コミックスなどがある。2001年6月逝去
冨原眞弓[トミハラマユミ]
1954年生まれ。パリ・ソルボンヌ大学哲学博士。聖心女子大学哲学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
89
トーベ・ヤンソンの評伝を読んで、「ムーミン」を読みたくなった。これは、「ムーミン」の一作目。戦争の渦中に書いたという本作は、暗さが漂う。パパ探しというテーマも、希望を見つけたいという気持ちの表れなのだろう。絵も知っているムーミンの絵とはだいぶ違う。「小さなトロール」という題名の通り、小さな妖精だ。それでも、様々なキャラクターがここに生まれ出て、やがてムーミン谷で暮らすようになる。ストーリーも表現も冒険心に満ちた第1作だと思った。2021/12/20
おっとっとっ
59
ムーミンの幻の一作目 ムーミンシリーズを読んできた中でも1番暗い話かもしれない、、、、(ノ_<) 解説でもあったようにこの物語を書いたのが第二次世界大戦後だったので、筆者はその戦争が忘れられなかったみたい 一作目ということもあって、ムーミンの意外な一面がみることができました^ ^2022/09/25
フユコ
55
再読。かわいい。 ムーミンパパの旗かわいいし家もこうやってできたんだなーってかわいい。童話は落ち着きます。2021/12/05
みや
22
第二次世界大戦直後に書かれた幻のシリーズ1作目。ムーミントロールがママと一緒にパパを探す旅をする。心温まるエピソードは要所要所にあるものの、根底にある暗さと何度も苦難に直面する展開は今作も同じ。ニョロニョロに騙されて旅へ出たパパ、パパはもう帰ってこないと泣くママ。これは戦争へ駆り出された父親たちと嘆き悲しむ母親たちを投影しているのだろうか。こんなに熱望して手に入れた安住の地・ムーミン谷の家を自ら捨てることになる未来を想うと切ない。お菓子やジュースでできた造り物の世界で暮らす年とった男の人が強く胸に残った。2023/05/15
シロナガス西瓜
18
『この家より美しい家はないわ』/いなくなったパパを探す、トロール親子の冒険。/短編。「ムーミン」シリーズ幻の1作目とのこと。世界観はまだ定まってないのだとは思うが、エピソード0と言っても差し支えない気がする。スニフとの出会いや、ムーミン谷に住んでいる経緯は、後のシリーズを通して踏襲されているのだろう。それにしても絵の方は酷いなぁ。ムーミン族の愛嬌がまるでない。鼻が細いのと、口があるだけでこんなにも不細工に(笑)。そして全集最後にして深まるムーミン族の大きさの謎。私はムーミン公式サイトを信じることにした。2024/03/20