平凡社ライブラリー
政治的無意識―社会的象徴行為としての物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 654p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766981
  • NDC分類 904
  • Cコード C0398

内容説明

イデオロギーはユートピアである―社会的・政治的動物である人間の理想的共同体への希求。その抑圧され無意識化されたありようをロマンス・十九世紀リアリズム文学の再解釈と歴史化をとおして浮上させ、西欧社会の政治と歴史、そしてナショナリズムと文化問題に切り込むマルクス主義批評の最良の成果。

目次

第1章 解釈について―社会的象徴行為としての文学
第2章 魔術的物語―ジャンル批評の弁証法的効用について
第3章 リアリズムと欲望―バルザックと主体の問題
第4章 真正の“ルサンチマン”―ジョージ・ギッシングの『実験』小説におけるジャンルの不連続性とイデオロギー素
第5章 ロマンスと物象化―ジョゼフ・コンラッドにおけるプロット構成とイデオロギー的閉止=完結性
結語 ユートピアとイデオロギーの弁証法

著者等紹介

ジェイムソン,フレドリック[ジェイムソン,フレドリック][Jameson,Fredric]
1934年アメリカ合衆国生まれ。イェール、フランスのエクス、ドイツのミュンヘン、ベルリンの各大学で学び、イェール大学でPh.D.(フランス文学)取得。ハーヴァード、イェール、カリフォルニア(サン・ディエゴ校、サンタ・クルーズ校)の各大学で教えたのち、現在、デューク大学教授(比較文学・ロマンス語研究)

大橋洋一[オオハシヨウイチ]
1953年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授

木村茂雄[キムラシゲオ]
1955年生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

9
正直言うとメインの文学論より哲学や政治理論の話がガチな内容で面白い、研究。意識しつつ解決も概念化もできずにいた不平等な権力構造を芸術的霊感へと昇華した部族の事例から、解決困難な社会の矛盾を美的領域へ移し架空の解決を与える象徴化として文学を読み解く、現代思想後のマルクス主義理論リミックス版。立場的に社会の現実を文学の中に見る派なのは当然だが、現実をラカン的な意味で理解。テクストは外の現実=サブテクストを描き出し可視化すると同時に事後的に構築し、テクストからの遡及によって初めて認識可能になる現実を知らしめる。2024/07/27

ponkts

2
原著と並行して読んだ。やや根拠薄弱だがコンラッド論における洞察が特に素晴らしい。扱う対象の広さもさることながら、あまりに密度が高いのでサマリーがあっても読んでて苦しい。共時性と通時性を文学作品において読み替える思考は色々と適用できそうでマジで勉強になった。2013/01/19

Was

1
マルクスにラカンを接合した歴史=超越的地平=現実界を最終審級とする解釈モデルにより、文学作品を胡散臭くもダイナミックに読み解く。一番魅力的なのは、構造意味論のモデルをずらし、その隙間からユートピアを見出だすところ。あらゆる思想がぎっしり詰まってるので、読むだけで何かしら得るものはある。2011/12/10

7ember

0
ギッシングとか、コンラッドでも『ノストローモ』とか、あんまり馴染みのない作品への言及が多くて、その点もつらかったっす。2014/12/08

s_mirai

0
大著をようやく読破。難解で難しく、勉強不足を実感させられる一冊。しかし「歴史」や「テクスト」に関する有効性のありそうな言及が多く、まだまだ付き合って行きたい本でもある。 2010/05/07

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