内容説明
象形文字である漢字は、中国古代人の目に映る「世界」の象徴的表現であった。『字統』において詳説された漢字の意味を、本書は系統的・問題史的に語ってゆく。博識と明快な論理で、単なる字形の解釈を越え、ことばの始原に行きつく、無類の「ことば」「ことがら」典。
目次
言霊の信仰
原始法の問題
聖地と祀所
生産と技術
世に在りて
生命の思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
初期の漢字は人間同士の伝達ツールではなかったと著者は考える。確かに人の声を表す形声文字は後から出てくる。では、巨大魚から身を守る「文身」(入墨)に発する漢字が、初期から広大な範囲に散在するのはなぜか?著者は、東アジア沿岸の人々の生活が似ていたのではないか?と想像する。自然の脅威に対する儀礼では水に関わるものが多い。巫祝階級が水を言霊で制御し、原始の法を司って民を統べる古代社会では、漢字を用いるのは一握りの階級だった。漢字を一つずつ数珠状に読み解き連鎖させる本書を読むと、そんな俯瞰的ビジョンが浮かび上がる。2020/12/23
GEO(ジオ)
1
ちょっと難しい内容2014/03/30
斑入り山吹
0
何とか読み通した。難しかったが、またトライするぞ!こんどは落合淳思「甲骨文字の読み方」をとなりに置いて。2009/03/06