内容説明
ちがや台に引っ越してきた高原一家。彼らの周辺で起きる不思議な出来事の背景には何があったのか。地域に刻まれた自然と人々の歴史が織り成す地理学ミステリー。物語の解説を通して、身近な地理学テーマが学べる!
目次
第1章 さくらの手袋と謎の老人(地理の目 地域に住むこと、地域を知ること;ちょっと寄り道 アベマキの木のあるところ)
第2章 恵のまちづくりと江戸の大氾濫(地理の目 地域理解のための地図活用;ちょっと寄り道 地理学研究者の社会貢献)
第3章 大樹の紙飛行機と不思議なカボチャ(地理の目 野菜と地域;ちょっと寄り道 お仕着せの領域)
第4章 里子のパンとしゃれこうべの谷(地理の目 地域の履歴を調べる;ちょっと寄り道 場所のイメージと心霊スポット)
第5章 アリフの居眠りと影絵の夢(地理の目 宗教と地域;ちょっと寄り道 生き物の地理学)
著者等紹介
富田啓介[トミタケイスケ]
1980年愛知県生まれ。2009年、名古屋大学大学院環境学研究科修了。博士(地理学)。名古屋大学大学院環境学研究科研究員、法政大学文学部助教を経て、愛知学院大学教養部准教授。専門は自然地理学、特に地生態学。主な研究テーマは、里地里山における人と自然の関わり、ため池・湧水湿地をはじめとする生物生息地の成り立ちの解明と、その保全・活用(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奈良 楓
19
【良かった】● 表紙は萌えですが内容は手堅い。 ● 野菜・宗教・地図サイトと、分野が広いです。紹介されている地図サイトは面白そうなものが揃っています。 ● 地域固有の野菜の話は興味深かったです。それに対してマス対応の種苗会社の戦略は長期的にみるとかなりやばめでは、と思いました。2022/07/16
Yutaka Matsuzawa
16
サブタイトルに「街と地域を知るための」とあったので読んでみた。YA向けの本でやさしく書いてあり、飽きさせない工夫として章ごとに物語とそれを地理的視点での説明パートに分けているのがいい。地理は学校だと暗記科目なので苦手な人もいるが、本当の面白さは身の回りのなぜの理由を調べ、それがわかった時。そのなぜは結構多様性に富む地理学と繋がっている。私には地域学のアウトリーチとして参考になった。表紙とタイトルでの勘違いでもいいから若い人がこの本を手に取るといいな。著者とベレ出版の地理好きを増やしたいという努力に拍手。◯2023/01/31
kk
15
図書館本。高原一家を主人公とする、ちょっと粋でハッピーなストーリーを題材に、地理学入門の手ほどきをしようとするナイスな一冊。タイトルにもあるとおり、私たちの日常生活から説きおこして、地理学的なものの見方・考え方などを伝えようとしています。地理学というものが、いかに裾野が広くて学際的な分野なのかということに軽く驚かされました。お話自体も気持ち良く読めて、ストレス・フリーな読書体験でした。2022/11/15
らっそ
11
歴史との関係性もフィールドワークの方法も説明されているようで、物語仕立てなのに実践的な内容で本当に勉強になった。地理をベースに興味のある事を調べてみると言うのが地理学の定義なんだと思った。今まで「地理学」とは?ってぼんやりしていたのが、この本を読んで結構スッキリした2022/05/17
takao
2
2万5千分の1地形図、都市計画基本図、 web:地理院地図、自然環境調査web-gis(植生図) 地形分類図:土地条件図、治水地形分類図 地質図Navi 地図・空中写真閲覧サービス、今昔マップ ハザードマップポータルサイト ぼうはん日本 2022/12/31