平凡社ライブラリー<br> シュレーバー回想録―ある神経病者の手記

平凡社ライブラリー
シュレーバー回想録―ある神経病者の手記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 689p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582764512
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0347

内容説明

彼はもう一人のニーチェなのだろうか。驚くべき妄想の世界を明晰に語り尽くした超弩級のドキュメント。待望の最終改訂版。

著者等紹介

シュレーバー,ダーニエール・パウル[シュレーバー,ダーニエールパウル][Schreber,Daniel Paul]
1842‐1911。ドイツの法律家、ライプツィヒ生まれ。父ダーニエール・ゴットロープ・モーリツは、シュレーバー体操やシュレーバー菜園で有名な医師・教育思想家、ライプツィヒ大学卒業後、順調にエリートコースを歩み、ドレースデンの控訴院部長にまで昇進した

尾川浩[オガワヒロシ]
1940年生。岡山大学教授。ドイツ文学

金関猛[カナセキタケシ]
1954年生。岡山大学教授。ドイツ文学

石澤誠一[イシザワセイイチ]
1948年生。大阪女子大学教授。精神分析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

42
「シュレーバー回想録―ある神経病者の手記」は、神から己の神経への直接のメッセージである<光線>に影響され毒されてしまい、その真実さは、日常の現実以上に現実性が高く、もはや、神ですら彼の明晰判明さには敵わない世界へ至ってしまっている。  自分の世界も知能や感性は正常そのものだと彼自身は、微塵も疑っていない。が、周りの誰もが、妻も含め、彼が逝ってしまっているとみなしている。精神病院へ閉じ込められてしまう。 2016/06/20

ラウリスタ~

14
自分の頭が正常であることを証明するために非常に理性的で論理的に書かれた「とんでもなく狂った」本。これはやばい。小さいおじさんが出て来たり、体が女性化したり、かりそめに作られた人間が周りを囲んだり・・・春樹の夢の世界みたいな光景がずっと続く。小説として読むと面白い。端から見れば昼間ずっとピアノとチェス盤の前から離れず、トイレに行かず、太陽にむかって唸り、手先をぷるぷる振るわせ、夜中には大声でうなり続ける。そんな人間が、文章を綴るとなると、精神医学かキリスト教神学の論文のような浩瀚な書物を作ってしまう。2014/08/20

どらがあんこ

10
1章あたりは視線が紙面の上をスケートしてるのだけど、そのうち読める(?)ようになる。13章の女性化のくだりからまた接続されてゆくし、まぁ飽きさせないですね。2019/07/10

またの名

5
パラノイア妄想のめくるめく世界。フロイト的に同性愛の問題として読むか、ラカンのように構造的排除とシニフィアンの異常を読み込むか、父という「魂の殺害者」の影を見るか、ドゥルーズとガタリとともにスキゾ革命を唱えるか、はたまたディックの主人公が神秘のメッセージと解釈したのを真実と考えるか。精神病院には驚くべき妄想の受苦者は多々いても、ここまで明晰に自分から報告できる頭脳の持ち主は稀。この明晰さを証拠として禁治産の取り消しを訴えるシュレーバーに下される判決が、狂気に対する20世紀初頭の理性の側からの答えだった。2013/05/26

有沢翔治@文芸同人誌配布中

3
これは統合失調症の患者さんに関ってる人が読んだらいいと思う。医者や看護師さんも含めてhttps://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51217616.html2011/03/31

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