平凡社ライブラリー<br> シモーヌ・ヴェイユ入門

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平凡社ライブラリー
シモーヌ・ヴェイユ入門

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  • サイズ 文庫判/ページ数 289p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582761818
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0310

内容説明

世界が二つの大戦に揺れた時代に、社会と個人の内奥を深く洞察し、身をもってその危機を訴えた「現代の巡礼者」シモーヌ・ヴェイユ。その人生と魂の遍歴を精神医学の立場から探る。

目次

第1章 ある人生への緒言
第2章 彼女の飢え
第3章 ユダヤ人であること
第4章 彼女の政治生活
第5章 彼女の倫理的孤独
第6章 根本的な恩寵
第7章 偶像崇拝と知識人

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

20
シモーヌ・ヴェイユは偶像を捨てた巡礼者だったのかもしれない。 読み終えて『ヨブ記』に親しんだろうシモーヌの生き方が少しだけ分かるような気がした。 学生のころ「フランシーヌはあまりもお馬鹿さん」と歌われるのをよく耳にした。 今それがシモーヌに重なる。その頑なな生き方が身につまされるからだろう。 傍から観れば頑固すぎるかもしれない。だが人間の誰しもに、譲れない生き方がある。 シモーヌは拒食症で亡くなった。 そのころのフランスには食を満足に得られない貧民が多くいた。それを思う気持が原因だったとも云われている。2022/07/04

さえきかずひこ

15
本書前半で、著者は自家薬籠中の精神医学と精神分析の観点からヴェイユを心理分析しようとするがたびたび壁にぶつかり、そのつどアンナ・フロイトに助言を求めてゆく。後半では、これらの観点が目立たなくなり、驚異的で複雑な対象であるヴェイユへの、敬慕の念が滲んだ人文学的分析が行われる。救いとは死ぬことで、救い主イエスとの合一を懇願するに至ったヴェイユの"カトリック的"信仰を「ひじょうに特殊で要求の多い実存主義」とし、「パスカルよりはキルケゴールと同列に位置づける」(P.274)第7章における考察はたいへん優れている。2018/06/18

ラウリスタ~

4
神話化、神格化されがちなヴェイユを多少批判的見方を交えて論じる。ヴェイユ信者が目を閉ざしてしまう事実にもメスを入れ、等身大のヴェイユを明らかにすることを目指す。ただ、アメリカ人が書いたものだからね。ヴェイユのエッセンスを50倍ぐらいに薄めて、批判的言説を加えることで独自色を出したって本かも。 2012/07/01

白義

4
ヴェイユに対する、批判的視点も込みの評伝として、なかなか面白い。心理分析というアプローチも悪くないが、ヴェイユとの相性が悪かったか、初級〜中級向けのやや微妙な本にこれをしてしまっている。だがコールズの探求は誠実であり、それはヴェイユの魅力を照らしている。読んだらヴェイユを読みたくなるのは確実だろう2011/01/05

大森黃馨

3
読んだ者を無批判に情緒情念的に陶酔させてしまう危険な力のあるシモーヌ・ヴェイユ女史について解題を試みた書 盲目的に女史と一体化しようとする傾向を留めてくれふと我に返る冷静さを与えてくれるそんな書なのだろうか ただ著者は思想家や哲学者ではなく精神科医であり職業差別では無いが正統的思考考察であるのか本当にそれらは正しき考察なのか分からなくなり私はまた悩んでしまう また考察思考すら他の方の土俵を借りねばできないのかと私は己が情けなくなる 2022/09/30

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