感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fishdeleuze
14
紀元後3世紀までのキリスト教史。史学の本ゆえか満遍なく書かれている印象を持った。情報量が多く、また、巻末索引も充実しているので、読み物としてよりは調べ物のテクストとして使ったほうがいいような気もした。逆に言えば、読み物としては平坦なのだ。全般的に知るには(読みにくいが)良いが、各イシューを知るためには個別の専門書をあたりたい。この時期までの資料で重要なのは、『使徒言行録』『エウセビオス「教会史」』条件付きで『トマスによる福音書』であるとのこと。初期教会史、グノーシス、正統と異端について選択的に読了。2013/06/15
彬
8
三世紀までのキリスト教を総括的に扱っている。キリスト教の誕生から発展を主軸に、ユダヤ・キリスト教からどのようにして固有の教義を持つに至ったか、他の宗教(特にユダヤ教)の影響、そして思想面の発展のために断罪された異端説も余すことなく解説しているため、初期キリスト教の歩んだ道のりがとても分かりやすくなっている。また巻末にはキリスト教特有の専門用語の解説もついているので門外漢でもとっつきやすくなっている。面白い2014/05/11
paumi
3
まず原始キリスト教はユダヤ教の分派から始まった。ユダヤ系キリスト教と異邦人系キリスト教の2つの派閥があり、それらの噛み合わせが課題の最初期。そして異端があり迫害があり…本書の時点ではまだキリスト教というものがしっかり確立していない。キリスト教者ならぜひ知っておきたい歴史書。2018/08/12
なつき
3
『キリスト教史 1 初代教会』読了。ジャン・ダニエルー。平凡社、上智大学中世思想研究所翻訳/監修、1996年。キリスト教をやるのであれば必読のこのシリーズ、ようやく読みはじめる。一巻は副題通り、初代教会から三世紀末まで。正確性と詳細さは抜群なのだろう。知らない記述も多く、助かる。2017/05/18
rbyawa
3
思ったよりも、というよりあくまで「ユダヤ教の一部として出発したんだよ」というのがなかなか印象的で、その上、キリスト教のほうが「厳しくして欲しい!」というのをユダヤ教側が「強制するものじゃない」と宥めているのが正直勝手な思い込みとは逆だった。アジア系の来世思想が混ざってカルト化してしまい、、、そうか、迫害もそういう前提があるのか、と逆に目から鱗が。ある意味、正面からキリスト教を書く、という人たちでなければ書きにくい暗部だったのかな。2009/11/22
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