出版社内容情報
器物の化け物が跋扈する『付喪神絵巻(つくもがみえまき)』は、どんな土地の記憶や知のコンテクストを内蔵しているか。都市、教養、言葉の三つの層で室町物語の特質を探る。
内容説明
打ち捨てられ、深く人間を恨む古い器物たちが、妖怪に変化して京の都を跋扈する、室町物語異類物の一つ『付喪神絵巻』。妖怪たち、またその物語は、都市空間のどんな局所に、伝承や古典知のどんな層のうちに棲みついているのか。「都市空間」「教養」「ことば」の三視角から読み解く、室町物語の魅力。
目次
1 『付喪神絵巻』と都市空間(『付喪神絵巻』の登場;浮かび上がる妖怪ライン;都市の記憶―船岡・長坂・京白川 ほか)
2 和漢の学芸を描く―付喪神の宴(酒呑童子と歌仙の姿;詩はこころざしのゆくところなり;玄宗皇帝絵―「羯鼓催花」 ほか)
3 『付喪神絵巻』のことば―付喪神と妖物(付喪神と百鬼夜行;「付喪神」の由来;物語を動かすもの)
著者等紹介
齋藤真麻理[サイトウマオリ]
1966年、東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、国文学研究資料館教授。総合研究大学院大学教授。専攻、日本中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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