出版社内容情報
歌枕のうち和歌の聖地へと昇格した和歌の浦・玉津島を取り上げ、古代・中世・近世にどのように歌われてきたか、その変遷をとらえる。
山本 啓介[ヤマモト ケイスケ]
著・文・その他
内容説明
『万葉集』の山部赤人の歌「若の浦に潮満ち来れば潟をなみ…」以来、和歌の浦と玉津島はたくさんの歌に詠まれてきた。「若の浦」は歌道の象徴「和歌の浦」となり、玉津島は和歌の神として崇拝され、実際の地形の変化にかかわらず、歌の観念の中でその景観は維持される―歌枕「和歌の浦・玉津島」の文学史。
目次
はじめに(旅のガイドブック―『紀伊国名所図会』;題詠と歌枕)
1 上代の和歌の浦・玉津島(「わかの浦」の始まり―『万葉集』の「若の浦」;赤人が見た「若の浦」)
2 平安期の和歌の浦・玉津島(和歌の浦・玉津島の変容;三代集の時代;藤原公任の旅;「若の浦」から「和歌の浦」へ;和歌の浦への旅)
3 中世の和歌の浦・玉津島(中世勅撰和歌集における和歌の浦・玉津島;『新古今和歌集』の歌人たち;熊野懐紙和歌;『新古今和歌集』;『最勝四天王院彰子和歌』と『建保名所百首』;「わかの浦」を詠むこと;定家の子孫たちと玉津島;玉津島社と新玉津島社;中世後期における和歌の浦・玉津島への旅;歌人と歌枕;和歌の浦の地形の変化)
4 戦国末期から近世の和歌の浦・玉津島(豊臣秀吉と和歌の浦;近世の和歌の浦・玉津島)
著者等紹介
山本啓介[ヤマモトケイスケ]
1974年、神奈川県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、青山学院大学文学部准教授。専攻、中世和歌・連歌(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。