出版社内容情報
記紀・万葉にみえる古代語1821語と漢字との出会いを探った画期的な古語辞典。2005年刊行の新訂版の普及版がついに登場!
内容説明
本書は「記」「紀」「万葉」などにみえる上代語と、その後の表記として用いられている漢字との間にみられる、語義と字義との対応関係を検証することを目的とする。それによって、漢字が国語を表記する文字として、すなわち国字として使用され、定着するに至ったことの適合性と、その歴史的必然性を明らかにした。そのことを、特に語源と字源、およびその語史的な展開を含めて、両者の対応関係において考えている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
16
起源は神が与えたものでも自然発生したものでもない。そこには諸力が交錯する外部との交通がある。起源はその結果である。漢語と和語のせめぎ合いから生まれた「訓」には、漢字を単に受容して類似する語と語を対応させるだけでは説明のつかないものが多い。著者はそのような事態を、古代人の生活や自然への態度と外部との接触において説明する(例「歌」)。本書は『万葉集』『古事記』『日本書紀』に、他者の文字の異質さに対峙し「国語」を作る人々の試行錯誤の痕跡を見、古代文化の背景を、関係から一語一語前景化させようとする古語辞典である。2021/01/08
Windseeker
3
辞書なので「読んだ」という表現は当たらないが、愛用している一冊。一種の古語辞典だけど、取り上げられている言葉は、奈良期までの文献に登場した和語1,800語余に絞られている。上代日本において漢字と和語が出会って「訓読み」が生まれる現場に焦点が当てられているのが最大の特徴。解説が丁寧なので、ついつい読み耽ってしまう。巻末には漢字索引のほか、万葉索引(万葉集は4,500余首中、約2,500首が引かれている)もつけられている。
テキィ
3
訓読ということで、平易なひらがなと訓読が多彩に記載されていた。2009/06/21
Bret
0
いつも大変お世話になっています。