内容説明
千葉県にある、印旛沼。この沼とその周辺の水辺には、日本にはもともといない外来生物・カミツキガメがすみついています。テレビなどでは、「わるもの」のように取りあげられるカミツキガメ。ほんとうに、わるいやつなのでしょうか?日本ではじめて撮影された自然のなかで生きるカミツキガメ。そのすがたをとおして見えてきた人と自然の問題。
著者等紹介
松沢陽士[マツザワヨウジ]
1969年生まれ、千葉県出身。東海大学海洋学部水産学科卒業。大学時代にスキューバダイビングと水中カメラマンに出あったことで、自身も水中カメラマンを目指す。現在は淡水魚の撮影を中心としている。カメラマンとして活動を始めたころからオオクチバス(ブラックバス)などの外来生物の撮影をライフワークとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
73
千葉県の印旛沼で増えつつあるカミツキガメを通して、外来生物の問題について考えさせる写真絵本。コワモテで名前も「カミツキガメ」とくれば、悪いかどうかは別として、怖いやつという印象はある。ところが、実はとても臆病で、人目につかないよう、ひっそりと生きていることが分かる。それでも、数が増えてしまうと、田んぼで人が踏みつけて噛まれる事故は起こるし、漁師の網に大きな穴をあけてしまうこともある。生態系に与える影響も無視できない。だから、排除の対象になってしまう。ヒトにとってもカミツキガメにとっても残念な結果。2016/09/04
gtn
28
カミツキガメが悪いはずがない。そもそも、カミツキガメも一員として、うまく回る世界があったんだから。悪いのは、それを日本に持ち込んだ奴。飼っていたのに飽きて、「可哀そう」と殺さず捨てた奴。2022/02/24
刹那
22
次男も興味深く聞いてました☺︎田んぼ仕事中に足噛まれたらって想像するとおそろしいよねщ(ʘ╻ʘ)щ2015/04/19
遠い日
18
このような外来種の生きものたちが「悪者」とされる今の社会の歪みが、悲しい。人間のエゴが惨めだ。勝手に飼って、飽きたら捨てて。覚悟や責任感がないなら、簡単にペットを飼ってはだめだ。2015/04/15
けいねこ
10
カミツキガメを「わるいやつ」にしてしまったのは、人間だということが、わかりやすく説明されています。せっかくだから、捕獲されたあとどういう運命を迎えるのか、そこまで書いて欲しかった。2015/04/02