出版社内容情報
作風を一新し、幕末秘史を駆使して描く新シリーズ第1弾!
元治元年(一八六四)、支倉幸四郎は箱館奉行所調役として五稜郭へ赴任した。
だが異国情緒溢れる街は、犯罪の巣でもあった……
内容説明
洋学者武田斐三郎による七年の歳月をかけた日本初の洋式城塞五稜郭に箱館奉行所はある。元治元年(一八六四)支倉幸四郎は支配調役として、幕府の逸材と評価の高い奉行小出大和守秀実の配下で激務をこなすことになった。箱館の街は江戸と違い異国人に溢れ、教会やホテルが建つ、悪の街でもあった…作風を一新し、幕末秘史を駆使して描く新シリーズ第1弾!書き下ろし長編時代小説。
著者等紹介
森真沙子[モリマサコ]
奈良女子大学文学部卒業後、雑誌、週刊誌の記者を経て1979年『バラード・イン・ブルー』で第33回小説現代新人賞を受賞し、文壇デビュー。以後、近代史や現代史に材を採ったミステリー作品で活躍し、近年では中世、古代史にも範囲を広げ、歴史推理や歴史伝奇作品を精力的に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Die-Go
50
幕末の箱館を舞台に、奉行所の調役支倉幸四郎が数々の問題に立ち向かう連作短編集。支倉は左遷の地と思われている蝦夷地への赴任になり、落ち込む。しかし、そこは外国との折衝も重要な役割の一つとする最前線基地であった。一つ一つの話が短めなので、読みやすくなかなかに面白い!続きも読む!★★★★☆2017/07/08
浅葱@
34
う~ん、面白い。尊皇攘夷の戦いではない幕末の歴史がまた一つ出てきた。箱館への赴任命令に左遷を感じる支倉幸四郎。箱館奉行所に持ち込まれる事件を調べながら支配調役として成長していく中から小出大和守秀実のキレ者ぶりが浮かび上がってきての「第五話 盗まれた人骨」。不利な条約の下、どうなるのかと手に汗で読んでしまった。そして支倉の赴任の事情が明らかになっての終わりに大満足。シリーズになるとのことで次が楽しみ。函館育ちの著者による短い説明も物語の理解の助けとなり、読みやすい歴史物と言える。2014/02/26
Haru
30
読友さんよりいただきました♪維新前の箱館が舞台。政治の中心、江戸から追いやられて意気消沈していた主人公が敏腕奉行の元、むしろ外国脅威の「最前線」といえる箱館で、奮闘するお話。外交にしくじり半ば植民地化した清国を反面教師に、対等を貫こうと戦う小出奉行がカッコいい!この時代の一人の責任の重さ大きさにしみじみと実感します。大袈裟でなく、たった一人に国が救われたことってたくさんあるのだろうな。蝦夷の寒さについて新任者を担ぐ場面が好き。お手洗いに行くとあれが凍って大変なことになるって…!(笑)2016/08/28
高橋 (犬塚)裕道
7
星4。少々文が硬い感じがあるが、面白い!幕末の箱館は知らない事だらけで面白い!5巻まである様だが楽しみだ。2017/03/08
あんコ
6
★★★★地元の本って事で★4つ(笑)思ってた以上に面白かった。きっと地名や町名をみただけですぐイメージが出来るのもあるんだろうなぁ。今が2013年なので149年前、函館がまだ箱館だった頃の物語。江戸の有能な武士・支倉幸四郎へ蝦夷地、箱館の赴任命令が…。何故自分が蝦夷地くんだりまで……これは左遷なのか?と思いつつ箱館へ来てみればそこは江戸とは違いさまざまな国旗を掲げた軍艦が停留し異国人が闊歩している活気のある町だった…そして各国、通商の欲が絡み合い水面下で暗闘が繰り広げられてる魔都でもあった。(゚Д゚;)2013/12/25