出版社内容情報
豊臣家を滅亡させ、徳川家の天下統一を決定付けた大坂の陣。戦国の世に終焉を告げた戦いを武将たちはどう見たのか。そして自決した豊臣秀頼の心中とは。『賤ヶ岳』『関ヶ原』につづく「豊臣興亡記」堂々の完結!
内容説明
豊臣家を滅亡させ、徳川家康の天下統一を決定づけた大坂の陣。戦国の世に終焉を告げた戦いを徳川家康を筆頭にした武将たちはどう見たのか。豊臣に恩を抱きながらも御家存続のために徳川方についた福島正則をはじめとした大名や、「関ヶ原の戦い」の恨みを晴らすべく大坂城に駆けつけた真田信繁(幸村)ら浪人衆の動きや心中を描き出す。また、総大将たる豊臣秀頼が抱いていた「ある行為への憧れ」とは!?圧巻の群像活劇。
著者等紹介
岡田秀文[オカダヒデフミ]
1963年東京生まれ。明治大学卒業。1999年『見知らぬ侍』で第21回小説推理新人賞、2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。時代ミステリーや歴史小説で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
47
戦国時代の幕引きを描いた作品でした。豊臣最後の歴史とも言えますね。知識はあっても小説として読むと、臨場感があって面白いです。一代で覇権を得た豊臣と大政奉還を成し遂げた家康。時期が違えば、歴史はまた変わっていたかもしれませんね。ただ、言えるのは大坂の陣は間違えなく歴史上の転換期なのだと思います。2023/12/19
tako_machida
1
大坂の陣の復習本。特に誰それが印象に残るわけでもなく、新説が出てくるわけでもなくといった感じ。つまらなくはなかったです。2023/02/19
茶幸才斎
1
慶長十六年、京の二条城で対面した右大臣豊臣秀頼の偉丈夫ぶりを目にした徳川家康は、自身の甘い考えを改める。やはり豊臣家は潰しておくべきだ。家康の執拗で狡猾な策謀により、豊臣家はなす術なく開戦に踏み切らされ、ここに、それぞれの事情を背負った双方幾多の武将らの多様な思念が渦巻く大坂城攻防戦が始まる。和議こそ得策と誰もが思いながら自分が最初にそれを口にはできないとか、手柄は立てとくべきだがやり過ぎると角が立ち危険だとか、戦争が兵法の常道に則って進むものではなく、人の思惑が混濁する不確定要素の多いものだと思い知る。2022/11/27
Falgorou
1
家康最後の総仕上げ、大阪の陣は日本史においても大きなターニングポイントであると思う。ここに長きに渡った戦乱の世は終わりを告げ、世界史から見ても非常に珍しい天下泰平の世が到来するのだから、大阪の陣を読むと色々感慨深い。少なくとも豊臣秀頼と淀殿は新時代到来のための人身御供だったような気もする。物語が俄然面白くなってくるのは夏の陣、最終決戦からだ。徳川方、豊臣方、それぞれに様々な思惑を抱えた武将が決死の覚悟で決戦に挑む。為政者として非情な決断を下す家康の狡猾さに背筋が凍るような思いだった。2022/08/10
kotori
0
たくさん登場人物が出てきたが、強く印象に残ったのは秀頼。大切な跡取りとして生まれながら何もできず、人知れず死への憧れを抱き続ける(しかも死を思うと高揚するという類の憧れ)ということに妙に納得してしまった。つい、秀頼は自分の宿命をどのように飲み込んで生きていたのだろうかと思いを馳せてしまう。その他の登場人物についても、当たり前だが、戦いに参加した一人一人に、それぞれの思い、人生があるということがよくわかった。他の本では同じ史実をどのように描いているのか知りたくなった。2022/09/01