双葉文庫<br> 鳳凰の船

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双葉文庫
鳳凰の船

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784575669800
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

明治初期の函館。洋船造りの名匠と謳われたものの、いまや仏壇師としてひっそり暮らす続豊治。だが若き船大工との邂逅により、再び奮い立つ/表題作。初代北海道庁長官・岩村通俊、イギリス人貿易商・ブラキストンなど、北海道開拓期に名を刻んだ者たちの逡巡や悔恨、決意を叙情豊かに描きあげた五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。

内容説明

新時代、明治を迎えた函館。かつて洋船造りの名匠であった続豊治は、いまや一介の仏壇師としてひっそり暮らしていた。そんな豊治のもとを、若き船大工が訪れる。船談義を交わすうちに、豊治の胸が再び奮い立つ/「鳳凰の船」。函館港湾改良工事監督の廣井勇は、弁天台場の解体工事を躊躇していた。旧幕時代の英知を結集して造られた建造物の破壊に、痛みにも似た悲哀を感じとるのだった/「彷徨える砦」。北海道の地で、時代の狭間に生きる人々の機微を見事に掬いとった五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。

著者等紹介

浮穴みみ[ウキアナミミ]
1968年北海道生まれ。千葉大学仏文科卒。2008年「寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬」で第30回小説推理新人賞受賞。09年、受賞作を収録した『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の草』でデビュー。18年『鳳凰の船』で第7回歴史時代作家クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

160
舞台は江戸末期から明治にかけての函館(箱館)。まさに荒波。在日外国人が日本の発展ともに冷遇されていくのがなんとも辛いが、その在日外国人を含め、北海道開拓に向けての男達の覚悟をすごく感じる。それを支える女性陣の献身的なこと。こうして北海道は開拓されて発展したのかと思うと、自分は道産子でありながら、北海道の歴史を知らなすぎだなと思う。北海道に生まれた者として、北海道の歴史をもっと知って学んで、ああ、道産子で良かったと思えるようになりたい。5編からなる短編集。切なく哀しみも感じるが味わい深くどれも良かった。2020/12/11

ポチ

55
明治になり北海道開拓時の函館。華々しい開拓の陰にあった、裏切りや苦しみや哀しみ。函館に行ったら、そんな開拓時代を胸に忍ばせながら街を歩いてみたい。2021/08/25

ちえ

39
以前読んだ「楡の墓」は札幌開拓にかかわる話。この本の主人公は江戸が明治に変わる時代に函館で生きた人たち。かつて名匠と呼ばれた船大工、外国人に嫁いだ日本人の妻、北海道庁長官…。ブラキストン、ガルトネル、ジョン・ミルン等、スマホで調べながら読み、数日の旅行や通過してきた函館の歴史、引いては日本の激動の時代に思いを馳せた。5つの短編どれもが違う彩りを持ち引き込まれた。当時の歴史を想像しながら函館の街をそぞろ歩きたくなる。作者の本は2冊目だがとてもしっくりくる。特に好みなのは「川の残映」「野火」。2021/09/11

しげ

24
明治維新以降、所謂「お雇い外人」として来日した学者や技師、商人をモデルに描かれた作品が多く、読中「伝記かなぁ?」と感じる時もありましたが、表面的な歴史書(開拓史)では分かり得ない史官や庶民との関わり、史官同士の軋轢や苦悩が描かれています。地元所縁のクラーク先生の「Boys, be ambitious」(少年よ、大志を抱け)を反芻しました。2022/04/02

mami

13
幕末から明治期という近代化に向けて大きく変わり始めた時代を函館で暮らしたブラキストン。箱館どっくに関わりのある渋沢栄一。函館の歴史を側面から知ることの出来る一冊。2021/06/13

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