出版社内容情報
「小説は哀しみにくれる人を救うことはできない。ただ、寄り添うことはできる」。2011年3月11日の東日本大震災で自身が被災した際に著者が語った言葉だ。大切な人を失い哀しみのただ中にいる人、人生の希望を失い悲嘆にくれる人・・・・・・そんな人たちの哀しみに寄り添う、伊集院静の傑作短編集。物語の登場人物も連れ合いや我が子、家族を失いながらも、前を向いて歩こうとする。そんな姿が読者の心に小さな希望の光を灯すことを願って。
内容説明
夫を亡くした由美は、哀しみのなか、息子の茂を育てていた。野球少年の茂を通して、亡き夫の想い、そして息子の成長を知る(「夕空晴れて」)。失踪した親友の妹・公子を訪ねた是水は、いまだ兄の行方を追う公子と話すうち、若き日に事故で亡くなった大切な弟のことを思い起こす(「くらげ」)。「大人の流儀」シリーズの著者にして、短編小説の名手が描く、6つの物語。哀しみを抱えている人に、そっと寄り添い、少しずつでも前に歩き出せるよう、背中を押してくれる―そんな物語が詰まった珠玉の短編集。
著者等紹介
伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年、山口県防府市出身。立教大学文学部を卒業後、81年に『皐月』で文壇デビュー。91年には『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞を受賞。翌92年には『受け月』で第107回直木賞を受賞する。その後も、『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞、『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で第18回司馬遼太郎賞を受賞している。16年には紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんだりん
Tatuyuki Suzuki
チバ
堀井由佳
ありす