出版社内容情報
江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会う――江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編。デビュー作にして絶賛の嵐だった話題作が、早くも文庫化!
内容説明
江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会う―江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編の第1巻。デビュー作にして絶賛の嵐だった話題作が、早くも文庫化!
著者等紹介
中西モトオ[ナカニシモトオ]
WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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そる
217
最初設定が「鬼滅の刃」じゃん、と思って読んでいたけれど途中からちょっと変わってきた。ただ悲しく辛い話だという共通点はある。この話は後半の登場人物たちの強い愛情が自己犠牲を強いられていたために鬼にそそのかされたきっかけで崩れてすれ違ってしまった、そこの心情がうまく書かれてるので、すごく分かる、でもそうなってしまったらヤバい、という感じで心に刺さるし気をつけないと自分もそうなるな、と身に染みた。愛も強すぎると受け入れられないかもな。「─にいちゃん、すずはね。ただにいちゃんに笑って欲しかっただけなんだよ。」2023/04/06
本詠み人
57
初読の作者さん。Web小説からの書籍デビュー作。こんな悲しい物語、なかなか無い。何がいけなかったの?ある雨の晩、5歳の甚太は、家を追い出された妹の鈴音と共に江戸を出た。街道で途方に暮れた所に通りかかった元治という巫女守の男の家(葛野)へ行く。家には鈴音と同い年の女の子、白雪がいた…。170年に渡る甚太と鈴音の物語が始まる…そこに至る出来事があまりに悲しい。遠見の鬼女の視た未来とは。元治の遺言「憎しみを大切にできる男になれ」の意味は?二人の今後を追う…救いがあればいいけれど😢2021/08/16
なつくさ
31
初読みの作家さん。単行本の時から表紙が綺麗で気になってた物語。とても良かったです。見つめる未来。己の生き方。すれ違う想い。感情の揺さぶりが凄まじい。雨の夜の差しのべた手。哀しい夜、川で誓った未来のこと。綺麗に結ばれていた糸は無惨に断ち切られ。対峙のその時までに甚太は答えを見つけられるだろうか。余談まで最高でした。次巻も楽しみだ。今年最後はこの物語で終わりです。2021/12/31
こも 旧柏バカ一代
30
この本は、江戸時代の山間集落を舞台にした和風ファンタジー、甚太と鬼との戦いや、巫女としての白夜との関係が描かれている。物語の中で描かれる人間ドラマや、鬼との対峙が非常に魅力的。特に、甚太が己の役割を全うしながらも、鬼に変貌してしまう過程が印象的だった。また、鈴音の兄への強い思いと、それが引き起こす悲劇が衝撃的であり、深い印象を与えてくれた。鬼滅の刃と似ているストーリー展開だが、、読めば全く違うと判る、ネットの公開日は此方の方が先でもある。2024/05/25
稲荷
28
人気シリーズと聞いて購入。世界感が面白くて一気読み。まだ序章という印象があり、次巻もどう進んでいくのか期待。できれば文庫版が欲しい…。2021/07/09