出版社内容情報
作家の笹子は22年ぶりにJ保町を訪れた。この街にはかつて勤めていた出版社がある。当時のことを小説に描くための取材だった。――大学卒業後の1985年、小笹一夫は漫画編集者として出版社に入社。数年後、女性の格好をするようになり「笹子」と呼ばれるも、会社側は解雇を言い渡す。漫画を愛する芥川賞作家の誕生前夜と今を描く自伝的小説。
内容説明
作家の笹子は22年ぶりにJ保町を訪れた。この街にはかつて勤めていた出版社がある。当時のことを小説にするための取材だった。―大学卒業後の1985年、一夫は漫画編集者として出版社に採用され、大好きな漫画作りに携わる。のちにスカートを穿いて出社するようになった一夫。友人たちに「笹子」と呼ばれるも、ある日、会社から解雇を言い渡される。でも、どんなときも、漫画がそばにあった…。心から愛するものがあることの喜びとつよさが胸に沁みわたる、芥川賞作家の自伝的長編小説。
著者等紹介
藤野千夜[フジノチヤ]
1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年『午後の時間割』で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジロリン
8
タイトルはもちろん手塚治虫「人間ども集まれ!」へのオマージュ。作者プロフィールの過去作に「おしゃべり怪談」とあり、これはくらもち師匠の出世作への…という理由で未知の作家さんだが購入。内容は「マンガ編集者の『マンガ道』+アルファ」といった所か。あまり詳しくない青年マンガ界を中心に、出版社と雑誌名以外はガンガン実名で登場するので〈名前だけは聞いた事ある人〉をググリながら読むのは大変だったがw色々と興味深いエピソードが読めて楽しかった…なーんて思ってもう一度作者プロフィールをよく見たら芥川賞受賞作家なのねw2020/10/03
BookaBoo
3
著者の自伝的小説。80年代に就職した漫画雑誌編集部での経験と、仲間に恵まれ、充実した職業生活の中で徐々に自身の本来の性別の姿に生まれ変わっていく様子、そしてクビになるまで。主人公と仕事で知り合った仲間たちが交歓する生き生きとした当時の漫画界がこのうえなく面白かった。いろいろいろいろひっくるめてその後の著者を形作った重要な時期だったのだろうな、と思う。2022/07/22
takao
2
ふむ2023/10/17
おおっぴら
2
直木賞作家の自伝かな。読んでる途中で気づきました。名前が入れ替わり最初は混乱。ちょっと前のマンガ好きはたまらないかもです。あまり知らない私でも「おお~」ってのがありましたから。2022/01/05
isbm
1
★★★2022/02/22