出版社内容情報
小学校入学の直前、母親が急死する。機を同じくして父親は同級生の母親と暮らすようになり、著者は突然一人ぼっちになる。小学生にして、たった一人で生きていかなければならなくなった著者を絶望から救ってくれたのはファミコンだった。ファミコンをすることで孤独を忘れ、人生を教わった著者の壮絶な半生――。
フジタ[フジタ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
89
芸人フジタ著。幼稚園時代に母が突然死。父はフジタの同級生の母と恋仲になり家を出る。年の離れた兄は家を出ており、小2で一軒家に一人暮らし。お金だけは与えられていたので、気が狂いそうに孤独な夜をファミコンをやることで生き延びる。父を奪った同級生を包丁で刺し殺す計画を綿密に立てるが、その直前難易度の高いゲームをクリアしたことで殺意が消える。父は二度とフジタの父として存在することはなく、フジタは大事なことで親から貰ったものはない、全てゲームから与えられた言い切る。ゲームをクリアしていくことで自我を守り通した記録。2020/01/29
Take@磨穿鉄靴
58
ゴールデンウィークの自粛中にお世話になったYouTubeのファミコン動画からその存在を知る。フジタ氏は1977年生まれで自分と1つ違い。明るくワクワクする笑顔とゲームの上手さで魅了される。基本的に本は中古がメインだがこれはフジタ氏を応援したかったので新品を購入。内容は薄目ではあるものの体験した内容は相当キツかったと思う。よく持ちこたえた。えらいね。ミュージアムの夢叶えて欲しい。友達と必ず行く。Kママのお弁当。分かるよフジタ。よくがんばったよ。フジタ氏の人柄の良さが伝わる楽しい本。★★★★☆2020/07/02
こばまり
57
幼少期を語る動画を目にはしていたが、改めて一冊に纏まるとその異様さに茫然となる。子供らしいほのぼのとしたエピソードもあるにはあるのだが。彼は生還者だ。傍にファミコンがあって本当によかった。2018/08/15
Take@磨穿鉄靴
37
再読。ちょっと疲れたので息抜き。動画も楽しませてもらってるけどあれからもまだまだゲームは増える一方。そろそろミュージアムの企画も本格的に始動させていこうよ。フジタ氏も気付いてると思うけど価値はそのカセットその物ではなく思い出にあるよね。今YouTubeのコラボ企画募集してるけど是非断捨離のやましたひでこ氏とやってほしいなあ。空間感の話をじっくりしてほしい。本の話に戻ると今回もKママのお弁当の話はグッときた。本当にツラかったね。やっぱりフジタは応援したい。がんばって!ミュージアム楽しみにしてるよ!★★★☆☆2021/07/08
テツ
31
小学校入学前に母親が亡くなり、父親はネグレクト。そばにいてくれたのはファミコンだけだった。芸能関係に疎いので著者の方については知りませんでしたが、ゲームから愛とか勇気とか、そういった心の底に溜めておくことのできる力を貰ってきたんだな。どんなものでも本人の受け取り方が正しければ支えになる。ただの遊びであるゲームが、ただの娯楽機であるファミコンが一人の少年を支えて成長を見守ってきた。一軒家の中で一人でゲームをしていた少年の姿を想像すると胸が痛くなるけれど、せめてこれからは満たされて幸福に生きていけますように。2019/07/11