内容説明
無類の本好きゲーム作家たちが、常識や先入観にとらわれず時には読んでポカーンとしながらも、文学の懐の深さに驚嘆し、自信ある誤読を愉しみつつ名作をゲーム化した新感覚の文藝座談会。
目次
文豪の部(『こころ』(夏目漱石)
『羅生門』ほか(芥川龍之介)
『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)
『痴人の愛』(谷崎潤一郎)
『人間椅子』(江戸川乱歩)
『山椒魚』(井伏鱒二)
『人間失格』(太宰治)
『金閣寺』(三島由紀夫))
ベストセラーの部(『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一)
『電車男』(中野独人)
『アフターダーク』(村上春樹)
『半島を出よ』(村上龍))
著者等紹介
麻野一哉[アサノカズヤ]
1963年生まれ。ゲーム作家。代表作に『かまいたちの夜』『街』など。思想書、宗教書を中心とした人文書に強い。守備範囲もマジメなものからトンデモ系まで幅広い
飯田和敏[イイダカズトシ]
1968年生まれ。ゲーム作家。代表作に『アクアノートの休日』『巨人のドシン』など。国内外の純文学に強い。特定の作家への思い入れも強く、タレント本やアイドル写真集にも詳しい
米光一成[ヨネミツカズナリ]
1964年生まれ。ゲーム作家。代表作に『ぷよぷよ』『バロック』など。やおいから実用書、純文学まで活字ならなんでも読むという、いわゆる雑食タイプ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まみ
13
web連載「ベストセラー本ゲーム化会議」を書籍化したものらしい。近代から8作品、刊行当時(2005年)あたりのベストセラー4作品を、ゲーム作家3人で遊び倒す。最終的にはゲーム化するんだけど、そこに行き着くまでに3人で作品(と作者)を非アカデミックなアプローチでこねくり回すのが楽しい楽しい。「先生(漱石「こころ」の)、人間の屑だよ!」「芥川は文学界の手塚治虫」「賢治は中二病」「自由だなあ、井伏鱒二!」「龍はFF、春樹はドラクエ」なんて調子で。太宰「人間失格」のゲーム化で「死にどきメモリアル」に吹いた。いや、2012/07/30
Akito Yoshiue
8
久しぶりに読んだがやっぱり面白い。2020/08/07
ミズカ
5
「銀河鉄道は中二パワーが動力で、ゲームを終わった時に心に残っているのは岩手の特産物」「ええー!?」の流れが好き。宮沢賢治の世界観を分かることが出来ないのは自分の読解力のせいなのか?と思っていたのですが、分からないのは私だけではないらしい、というのが嬉しかった。有名な作家、それだけのことで勝手に神聖化しちゃってるのかもしれない。「ゲーム脳どころじゃないよ。乱歩脳!」「大槻ケンヂに乱歩大サーカスの座長になってもらおう(ただしNO報酬)」。やってくれるハズ。我らがオーケンならやってくれるはず・・・!!2017/07/16
サチ
5
堅苦しくなくていいですね。タイトルそのままに日本文学を「ふいんき」で語っておられるのにちゃんと的を得ているところがすごいです。 日本文学をゲーム化したら…という企画ですが、いわゆるテレビゲームばかりではなく食玩などのおもちゃからテーマパークまで、 バラエティに富んでます。脚注のツッコミも面白かったし所々声を出して笑わせてもらいました。 私自身未読の本があったままに読んだのですが、おかげで読みたい本がまた増えました。ありがとうございます。2010/12/26
アオヤギ
4
日本文学でゲーム企画を作ろう!というコンセプトではあるけど、ゲームに関わる部分よりもその前段階(この作品の「キモ」はなんだ!どこをゲームにしたら面白いんだ!とあれこれ語り合っている段階)がすごく面白かった。あと、三人とも興味の幅が広いので、読みたい本がいっぱい増えた。2012/02/11
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