出版社内容情報
若くて可愛い女の子、いつまでそう扱われるの? 愛され守られたい、自立し強くありたい、無関心で平穏に過ごしたい――3つの本心に引き裂かれながら、社会が望む女性像に擬態して生きる森。その異質な気配に気づいた職場の同僚に声をかけられるが……。一人の女性が見つめる世界の歪みと、その先の希望を克明に描いた物語。
内容説明
歯科助手のアルバイトをしている森。彼女の中では三人の「わたし」の意識が、めまぐるしく移ろう。相反する内側の声に引き裂かれる森は、仕事が終わるとスマホでゲームの世界に逃げ込むのが常だった。ある日、職場の「新人くん」が同じゲームをしているとわかり、彼とゲーム内で“友達”になるが…。可愛いに呪われ、強さに囚われ、諦めに蝕まれ、その果てにあるものとは―?一人の女性を通して描かれる世界の歪みはきっと、わたしたちの現在地だ。
著者等紹介
伊藤朱里[イトウアカリ]
1986年生まれ、静岡県出身。2015年、「変わらざる喜び」で第31回太宰治賞を受賞。同作を改題した『名前も呼べない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



