出版社内容情報
平成二十一年(2009年)、甚夜は長い歳月を経てついに故郷の葛野へと帰って来た。予言された鬼神降臨の年まで、あと一年。鬼神へと至ろうとする鈴音と対峙すべく、彼はいつきひめの社の跡地にある高校へと入学する。そこで待っていたのは、平成のいつきひめ・姫川みやかをはじめとする個性豊かなクラスメートだった――すべての伏線が繋がる平成編、ついに開幕!! 大人気和風ファンタジーシリーズ第十二巻!
内容説明
鬼神降臨まで、あと一年。高校生活を送る甚夜たちに、都市伝説の怪異が襲い掛かる―。シリーズ最終章ついに開幕!
著者等紹介
中西モトオ[ナカニシモトオ]
WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayu
65
シリーズ12作目、新刊。鬼が人の世のすぐ近くにいた時代を過ぎて、平成では、鬼や怪異は都市伝説として扱われていた。すべてが始まった葛野の地。友情を知り、でも間に合わなかった江戸、愛しい存在を得たが、また失った明治、はじめて守り抜き、帰る場所を見つけた大正、そして、少しの迷いと寄り道で意を決した昭和…長い長い時を経て、甚夜はまた葛野へと戻ってきた。甚太神社、いつきひめ、振り返る過去が切ない。約束の時まであと1年。どんな結末を迎えるのだろう。高校生活を送り、都市伝説に立ち向かいつつ、その時を待つ。2023/03/16
はにこ
64
平成編。今までに出てきた話ともつながりを持つことで物語の深みを感じさせる。とはいえ、メインが都市伝説。ちょっと今までとは毛色が違うのかなとも思うが時代が変われば仕方ないのだろう。この地に戻ってきて、過去に触れることで、決戦の日が近づいていることを思わされる。決戦の日に新たな友達、昔からの友達がどう関わっていくのか興味深い。2023/11/29
えみ
61
逢う日遥けし。数多の物語を紡いで、彼は漸くここに辿り着く。170年前のあの悪夢の地、絶望と悲しみそして憎悪を生み出した始まりの地、葛野。遂にシリーズ最終章、終わりの始まりが開幕した。零した笑顔と散らした涙、振り返ればどちらの方が儚くて、どちらの方が重かっただろうか。叶わない願いを空に、叶うことでしか救われない誓いを未来へ…。和風ファンタジー『鬼人幻燈抄』シリーズ12は平成編。江戸時代には当たり前に信じられていた鬼という存在は、現在に近づけば近づくほど都市伝説の1つに融合しオカルトとなる。約束まであと1年。2023/03/05
よこたん
48
“だが瞬きの命とて残せるものもある。せめてもの詫びだ。いつか再び訪れた時、涙の一つも零させてやろう。楽しみにしているがいい。” 桜舞い散るなか、あの遠い日の約束が見事に果たされた。人の命は、鬼に比べれば儚く短い。置き去りにして進んできたと思っていたのに、ちゃんと受け継がれてきた想いに出会えた幸せ。これまでの数々のエピソードが見事に繋がってくることに、ため息がこぼれる。禍々しい鬼神との戦いまで、あと1年。もうここでいい、穏やかな気持ちで読み終わりたい。けれど、ここまで来たら最後まで見届けなくてはならない。2023/05/05
るぴん
35
図書館本。平成編スタート。大正編までは面白く読んでいたんだけれど、前作の昭和編から何だか面白さが失速気味…?今作は甚夜が高校に入学して都市伝説にかこつけた怪異を退治する話だったから、今までの世界観と違いすぎて余計にそう思ったのかも。マガツメ関連も吉隠しか登場しないし、あまり緊迫感や悲壮感がなかったのも残念。今代の秋津染吾郎が登場しないかなぁ。2023/05/24