出版社内容情報
警視庁捜査一課の刑事・日向は多摩川河川敷で起きた発砲事件の捜査を命じられる。使用された拳銃の線条痕が、22年前の「スーパーいちまつ強盗殺人事件」で使用された拳銃と一致。家庭を崩壊させた鬼刑事の父親が捜査を担当した〝因縁の事件〟に対峙することに――。カネと暴力と欲望が渦巻く緊迫のエンターテインメント警察小説!
内容説明
警視庁捜査一課の刑事・日向直幸は多摩川河川敷発砲事件の捜査を命じられる。使用された拳銃の線条痕が、22年前の「スーパーいちまつ強盗殺人事件」で使用された拳銃と一致。迷宮入り事件の捜査が一気に動き出す。その事件は鬼刑事の父・繁が担当した事件だった。繁は捜査にのめり込むあまり、妻子にDVを働き家庭を崩壊させた。警官親子が骨肉の争いの果てに辿り着いた凶悪事件の真実とは―。
著者等紹介
深町秋生[フカマチアキオ]
1975年、山形県出身。2004年『果てしなき渇き』で第三回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年に『渇き。』として映画化され、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
87
22年前に起きたスーパーでの従業員3人殺害事件。未解決の事件に使用された銃の線条痕と一致する銃の発砲事件が。捜査にあたる日向直幸に立ちはだかる元警察官の父・繁の影。ぶっ飛んだ父親には嫌悪感しか…。ストーリーは面白く一気読み。2021/06/07
ナミのママ
71
いいなぁ、深町作品。これでもかというバイオレンス。家庭をかえりみないどころか崩壊させる男。今の時代にはクズとしかいえない男。そんなヤツに育てられ、縁を切り、父親になろうとしている捜査一課の日向。22年前のスーパー強盗殺人事件の再捜査とともに、その父親と対峙することになる。平和な日常が突然に壊される狂気と、金の為なら悪魔に成り下がる人々。凄まじい内容だったが最後にホッとした。2021/02/10
オーウェン
64
深町さんの作品ってバイオレンスのイメージがあるが、この作品も冒頭から炸裂する。 発生した発砲事件の線条痕から、22年前の日向の父が関連していた事件と分かる。 しかし父と息子は対立関係から絶縁していた仲。 とにかく父親の事件に対する執念が強烈であり、解決のためなら息子や警察ですら踏み台に。 特に父息子の対立はお互い殴り合いの連鎖。 当たり前のように銃を向けるのだからまあすごい。 まるで日本じゃないような最後の防衛戦のやり取りも実にバイオレンスな場面で締め。 2021/06/30
えみ
62
手遅れ。そんな言葉が頭にこびり付いて離れない。何があっても時間は流れる。当然時間が解決してくれる、癒してくれることもあるだろう。しかし、警察の威信に関わる未解決事件に限っては時間というものは何も解決してくれない。それどころか真相が遠ざかっていくばかり。そんな未解決事件を捜査することになった刑事・日向は激しい憎悪の中にいた。虐待を受けた過去に遺恨ある元警察官の父親との激突!未解決事件と現在の事件、そして父親を繋ぐ銃弾の意味とは?抉る傷跡、憎しみの果てに日向の咆哮が轟く‼未解決は事件だけではないと拳が物語る。2021/07/03
GAKU
60
今回も深町作品らしく、派手なバイオレンスシーンの連続。それにしても主人公の刑事日向の父で、やはり刑事だった繁。深町作品に碌でなしは数多く登場するが、特にこの繁は酷かった。刑事としての執念は凄まじすぎるが、だからといって妻や、幼少の頃の日向に対する横暴ぶりには全く共感できない。そして刑事を辞めた後も未解決事件を追う、彼の行動もしかり。好きになれないオヤジでしたが、今回の中では群を抜いた登場人物でした。 2021/02/16